三鷹市には、定義のとり方によって約1万戸の空き家があります。相続した家をどうするか。売るならいつまでに何を済ませるか。使える制度と期限、市の窓口、当社にできることをまとめました。
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三鷹市の空き家の実情
総務省の住宅・土地統計調査(令和5年)では、三鷹市の空き家は11,720戸、空き家率は10.8%です。内訳を見ると賃貸用の空き室が8,680戸を占め、売却用は190戸。どちらでもない「その他の住宅」が2,740戸あります。使う予定がないまま置かれている家の多くが、ここに入ります。
一方、三鷹市が戸建てを中心に外観から調べた実態調査(令和4年度)では、空き家の可能性が高い建物は608棟、戸建ての空き家率は1.47%でした。集合住宅の空き室を含むかどうかで、数字は大きく変わります。
戸建ての空き家率は、下連雀1.88%、井の頭1.78%、中原1.79%、上連雀1.16%、大沢1.42%。市全体では608戸(1.47%)で、前回調査から163戸減っています。
駅に近い下連雀や井の頭でも空き家は珍しくありません。立地が良くても、名義や家財の問題で動かせないまま置かれている家が実際にあるということです。
出典:総務省「令和5年住宅・土地統計調査」/三鷹市「空き家の実態調査及びアンケート調査について」/三鷹市「住生活基本計画」
相続した家を売るまでの4ステップ
相続税がかかる場合、申告と納付の期限は相続の開始を知った日の翌日から10か月です。売却代金で納税するなら、このすべてを10か月に収めることになります。全体の段取りは三鷹市の不動産売却で詳しくご説明しています。
空き家の3,000万円特別控除
相続した空き家を売って利益が出た場合、要件を満たせば譲渡所得から最高3,000万円を差し引けます。要件が細かいので、主なものを挙げます。
| いつまでに売るか | 相続の開始から3年を経過する日の属する年の12月31日まで。かつ制度の期限が令和9年12月31日まで |
|---|---|
| 建物の条件 | 昭和56年5月31日以前に建築。区分所有登記の建物(分譲マンション)は対象外 |
| 住んでいた人 | 相続の直前に被相続人がひとりで居住(老人ホーム入所中だった場合の特例あり)。ご家族が同居していた場合は対象外 |
| 代金 | 1億円以下 |
| 建物の扱い | 耐震基準を満たして売るか、取り壊して売る。令和6年からは引き渡し後に買主が耐震改修・取壊しをする場合も対象(譲渡年の翌年2月15日まで) |
| 控除額の注意 | 相続人が3人以上の場合は最高2,000万円 |
適用には、三鷹市が発行する「被相続人居住用家屋等確認書」が必要です。窓口は市役所本庁舎5階の住宅政策課で、手数料は無料、申請から発行までおおよそ2週間。相続人が複数いる場合は相続人ごとに申請します。確定申告の提出先は武蔵野税務署です。
決済日から逆算して確認書の取得まで工程に入れておかないと、使えたはずの控除を落とします。当社は売却の段取りにこの申請を組み込みます。最終的な適用の判断は税理士または税務署にご確認ください。
出典:国税庁 タックスアンサー No.3306(令和7年4月1日現在法令等)/三鷹市「空き家譲渡所得の3000万円特別控除」
「国に引き取ってもらう」は現実的か
相続した土地を国に引き取ってもらう「相続土地国庫帰属制度」が令和5年に始まりました。ただ、三鷹市の不動産で使う場面は限られます。
解体費と測量費を自己負担したうえで、さらに数十万円を納めて手放すことになります。市場で売れる見込みのある三鷹市の土地なら、売却のほうが早く、手元にお金も残るのが普通です。この制度は「売れない・貸せない土地の最後の手段」と考えるのが実情に合っています。
出典:法務省「相続土地国庫帰属制度について」/同「負担金の算定」
建物を残すか、壊すか
三鷹市には1980年以前に建てられた住宅が11,250戸あります。持ち家の81.9%は耐震診断を受けていません。相続した家の多くは、この築年帯に入ります。
建物を残して「古家付き土地」として売るか、解体して更地で売るか。
古家付き土地で売る
建て替え前提の買主には古家があっても支障は小さく、解体費分の値引き交渉になるのが通常です。3,000万円控除は、令和6年から買主側の耐震改修・取壊しでも対象になったため、売主が急いで解体しなくても組めます
解体して更地で売る
解体費を先に負担します。取り壊して売れば、3,000万円控除の「建物の扱い」の要件は満たせます(ほかの要件は別にあります)。解体してから売れるまでの期間が長引くと、管理や税の負担が変わってきます
売り出しと工事の順番は状況に合わせて設計します。
どちらが手取りで有利かは、建物の状態と売れ方の見込みで変わります。両方の想定を数字でお出しします。
出典:総務省「令和5年住宅・土地統計調査」/国税庁 タックスアンサー No.3306
三鷹市の相談窓口と支援
| 市の窓口 | 都市再生部 住宅政策課(0422-29-9704) |
|---|---|
| 相談窓口(市の協定団体) | 市と協定を結んだ団体が対応。当社が所属する全日本不動産協会東京都本部多摩東支部(0422-70-6711)もそのひとつ |
| 活用のマッチング | 売却以外の活用を考える場合、株式会社まちづくり三鷹(0422-40-9669)が所有者と活用希望者をつなぐ事業を実施 |
| 改修の補助 | 地域貢献施設への改修に経費の2分の1以内・上限50万円(交付決定前の契約は対象外) |
売る・貸す・活用する。どれが向いているかは家の状態とご事情次第です。当社は売却と買取の実務を担いつつ、売らない選択肢も含めてご説明します。
出典:三鷹市「専門家による空き家相談窓口」/三鷹市「空き家活用マッチング支援事業」
よくあるご質問
相続したばかりで、何から手を付ければいいか分かりません。
まず名義と遺産分割の状況を確認するところからです。売る・売らないが決まっていなくても構いません。現状をうかがって、期限のあるもの(相続登記・相続税・控除)から順に工程を整理してお渡しします。
家財が残ったままです。片付けてからでないと相談できませんか。
そのままでご相談ください。残置物の撤去の手配から当社でお引き受けした実績があります。査定もそのままの状態でできます(不動産査定のご案内)。
3,000万円控除は自分の場合も使えますか。
建物の築年、同居の有無、売却の時期など要件が細かいため、状況をうかがって該当しそうかどうかを整理します。最終的な判断は税理士または武蔵野税務署へのご確認をお願いしています。市の確認書の取得は当社が工程に組み込みます。
かなり古い家ですが売れますか。
古家付き土地として売る、解体して更地で売る、当社が買い取る、という3つの進め方があります。建物に値段が付かない場合でも土地としての売却は可能です。状態を拝見して、手取りの比較をお出しします。
空き家のまましばらく置いておいてもいいですか。
ご事情があれば急ぐ必要はありません。ただし3,000万円控除には「相続から3年を経過する年の12月31日まで」と「令和9年12月31日まで」の2つの期限があり、待つほど使える制度が減っていきます。期限だけ先に把握しておくことをお勧めします。
兄弟の共有名義のままでも売れますか。
売却には共有者全員の合意と署名押印が必要です。可能ではありますが、手続きはすべて重くなります。これから分割協議をするのであれば、売却を前提にした分け方をお勧めすることが多いです。
遠方に住んでいて、三鷹の家を見に行けません。
現地の確認・家財の撤去・測量の立会いまで、当社で手配してお引き受けした実績があります。お越しいただかなくても進められる形を組みます。