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調剤薬局の一体的構造の規制

クリニックの近くに調剤薬局を、と考える場合、不動産の計画段階で知っておくべき規制があります。建物ができてから分かると、動かしようがない種類の話です。

このページのポイント

  • 専用通路や建物の中でつながる形は、認められません
  • 2016年10月から、同じ敷地も原則として認められます
  • 間口・道路・駐車場・広さで、並べられるかが分かれます

一体的な構造にはできません

保険薬局は、保険医療機関と一体的な構造であってはならないと定められています(保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則 第2条の3)。

認められない配置と、認められる場合がある配置
公道に面した医院と奥の薬局が、囲いのある専用通路でつながっている配置の絵。

専用通路でつながっている

医院と薬局を、専用の通路で結ぶ形。屋外の通路でも、囲いなどで外から入れなければ同じです。

1つの建物の中に医院と薬局があり、内側の扉で行き来できる配置の絵。

建物の中で行き来できる

医院の建物の中にあり、内側の扉でつながっている形。医院の調剤所と変わりません。

医院と駐車場の奥に薬局があり、公道から薬局が見えない配置の絵。

薬局の出入口が公道から見えない

敷地の奥にあって、公道から薬局も出入口も見えない形。医院の休診日に薬局へ行けなくなる形も同じです。

医院と薬局が中でつながらず、それぞれ公道側に出入口がある配置の絵。

中でつながらず、それぞれに出入口がある

薬局と出入口は公道から見えます。同じ敷地でも、同じ建物でも、認められる場合があります。

出典:保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則 第2条の3/厚生労働省 保医発0305第15号(令和6年3月5日)の「一体的な構造」の解釈/厚生労働省保険局医療課 事務連絡「保険薬局の指定について」(平成28年3月31日。内閣府の会議資料として公開)

言い換えると、要点は3つです

  • 医院と、建物の中や専用通路でつながっていない
  • 薬局と出入口が、公道などからすぐ分かる
  • 休診日も含め、だれでも自由に行き来できる
医院と専用通路でつながっていない、出入口が公道からすぐ分かる、だれでも自由に行き来できる、という薬局の要点3つを示した絵。

フェンスを一律に求める運用は見直されました

医療機関と薬局のあいだの取り扱い

かつて

公道等を介することを一律に求める運用

そのためにフェンスを設ける例が知られています。

2016年10月に見直し

同じ敷地内の配置も、原則として認められるようになりました

専用通路でつなぐ形と、建物の中で直接行き来できる形は、引き続き認められません。

医療機関の建物の一角に置く場合

それぞれ駐車場側に出入口があり、中でつながっていなければ、フェンスが無くても認められた例があります。中でつながっていれば、公道側に出入口があっても認められません。

認められるかは事例ごとの個別判断です。同じような配置でも、道路の状況や出入口の見え方で判断が変わり得ます。いわゆる医療ビルのような形は好ましくないとされ、その場合は、だれでも自由に行き来できるかが十分に確かめられます。

出典:内閣府 規制改革推進会議 医療・介護ワーキング・グループ「薬局の構造規制」(平成28年11月15日)/上記の事務連絡と通知

これは、土地の形と建物配置の話でもあります

保険薬局の指定(健康保険の処方箋を扱うための指定)が下りるかに、建物の配置と出入口の取り方が直結します。

配置が成立するかは、次の4つで分かれます
  • 敷地の間口 医院と薬局、それぞれの出入口を公道側に取れる幅があるか
  • 道路との接し方 一方向だけか、角地か。角地なら二面を使えます
  • 駐車場の取り方 駐車場を通る行き来が、囲いなどで外から入れない通路になっていないか
  • 敷地の広さ 2棟を離して置き、それぞれに駐車場を取れるか
医院と薬局の配置が成立するかは、敷地の間口・道路との接し方・駐車場の取り方・敷地の広さの4つで分かれることを敷地の模型で示した絵。

土地を決めてから薬局の話を始めると

「この敷地形状では並べられない」と後から分かることがあります。土地の候補を絞る段階で、薬局まで含めて見ておくのはこのためです。

設計に入る前に確認してください

確認の窓口は、保険薬局の指定を扱う地方厚生局(厚生労働省の地方の出先機関。関東甲信越であれば関東信越厚生局)の事務所です。

図面ができてから相談すると、修正の手戻りが大きくなります
  1. 1土地の候補段階当社が、並べられるかを見立てます
  2. 2設計に入る前先生が、配置の考え方を地方厚生局に確認します
  3. 3最終的な確認先生が、地方厚生局と設計者を交えて進めます

よくあるご質問

クリニックと調剤薬局を同時に探してもらえますか。

承ります。埼玉県東松山市の案件では、クリニックの開業に合わせて同じ敷地で開業いただける調剤薬局をお探ししました。ただし保険薬局には医療機関と一体的な構造にできないという規制があるため、建物の配置を含めた検討が必要です。

同じ敷地に建てること自体が禁止されているのですか。

禁止されているのは一体的な構造です。同じ敷地であっても、建物の中や専用通路でつながっておらず、だれでも自由に行き来でき、薬局の出入口が公道から確認できるのであれば、認められる場合があります。ただし個別判断ですので、配置が固まる前に地方厚生局にご確認ください。

先にクリニックを建てて、あとから薬局を考えることはできますか。

できますが、選択肢は狭くなります。クリニックの配置と駐車場の取り方が決まったあとでは、薬局を置ける場所と出入口の取り方が限られるためです。薬局まで含める可能性があるなら、土地を決める段階で一緒に検討しておくほうが確実です。

当社が扱っている開業用地の例として、東松山市高坂のクリニック開業用地をご覧いただけます。隣の土地では、2026年3月に小児科と調剤薬局が開業しています。

その他のテーマは不動産コラムにまとめています。

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