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実家の前の道が、実は近所の人との共有の土地だった。相続の手続きを進めて、初めて気づく方がいます。この道の持分を相続し忘れると、家を売るときに困ることがあります。この記事では、私道の持分を相続したときに確かめることを説明します。
このページのポイント
- 私道の持分は、固定資産税の通知に載らないことがあり、相続で見落としやすいです。
- 売るときを考えると、家と私道の持分を同じ人が受け継ぐ方法もあります。
- 2023年の民法改正で、舗装の補修などを過半数で決めやすくなりました。
1. 私道・位置指定道路とは

私道は、国や市ではなく、個人などが持っている道です。家の前の道を、近所の数軒で少しずつ持ち合っていることがあります。これを「私道の持分」と言います。
家を建てるには、敷地が道路に2メートル以上接している必要があります。これは建築基準法43条の決まりです。私道でも、役所が「道路」と認めたものがあります。その1つが「位置指定道路」です(同法42条1項5号)。家を建てるために造り、決まった基準に合うとして指定を受けた道です。実家の前の道がこれに当たるかは、市役所の建築の窓口で調べられます。
2. 相続で見落としやすい理由
多くの人が通る私道は、固定資産税がかからないことがあります。地方税法348条で、公共の用に使う道路は非課税とされています。税がかからないと、毎年の納税通知書に載りません。そのため、私道だけ親の名義のまま、ということが起きます。家と土地は相続登記を済ませていても、です。
調べ方は2つあります。
- 実家の登記簿や、親が家を買ったときの契約書を見る
- 法務局の「所有不動産記録証明制度」を使う
2は、2026年(令和8年)2月2日に始まった制度です。亡くなった人の名義の不動産を、一覧で出してもらえます。ただし、登記の住所や氏名が違うと出てこないことがあります。相続登記と同じく、私道の名義変更も司法書士の先生の領域です。
3. 売るとき・工事のときの注意
私道の持分がないと、家を売るときに買い手が不安に思います。道を通る権利や、水道・ガス管の工事で、もめるおそれがあるからです。売るときを考えると、家と私道の持分を同じ人が受け継ぐ方法もあります。
私道の舗装の補修などは、共有者の話し合いで決めます。2023年(令和5年)4月の民法改正で、決め方がはっきりしました。形や働きを大きく変えない工事は、持分の過半数で決められます。これは民法251条・252条の決まりです。共有者が分からない、連絡がつかないときは、裁判所に頼む方法もあります。法務省は、共有私道の工事について考え方をまとめた資料を公表しています。
よくあるご質問
私道の持分は相続税がかかりますか。
国税庁の説明(No.4622)では、使い方で評価が変わります。誰でも通り抜けられる私道は、評価しません。行き止まりで、特定の人だけが使う私道は、普通の土地の30%で評価します。計算は税理士の先生の領域です。
私道の持分だけ、兄弟の別の人が相続してもよいですか。
法律上はできます。ただ、家を売るときに持分の持ち主の協力が要ります。売るときを考えると、家と同じ人が受け継ぐ方法もあります。
私道の持分がない家です。売れますか。
売ることはできます。ただ、通行や工事について、私道の持ち主の承諾書を求められることがあります。売り出す前に、不動産会社と確かめてください。
出典:e-Gov法令検索 建築基準法(第42条・第43条)/e-Gov法令検索 地方税法(第348条)/e-Gov法令検索 民法(第251条・第252条)/法務省「所有不動産記録証明制度について」/旭川地方法務局「所有不動産記録証明制度が令和8年2月2日から運用開始」/法務省「共有私道の保存・管理等に関する事例研究会(第2期)」(最終とりまとめ:所有者不明私道への対応ガイドライン 第2版)/国税庁 タックスアンサー No.4622 私道の評価
私道の扱いは、道の種類や近所との取り決めで変わります。この記事は2026年11月時点の法律と国の説明をもとにしています。実際の道の種類は、市役所の窓口で確かめてください。
具体的な私道の持分の名義変更は、司法書士の先生にご確認ください。
相続の手続き全体のご相談は、まとめる相続でも受け付けています。
その他のテーマは不動産コラムにまとめています。
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