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親がアパートを貸していて、亡くなった。家賃は毎月入ってきますが、親の口座は止まってしまいます。入ってくる家賃は誰のもので、どう分ければよいのか。この記事では、時期ごとに分けて説明します。
このページのポイント
- 亡くなる前の未払いの家賃は、親の遺産の一部です。
- 遺言がなければ、分け方が決まるまでの家賃は、法定相続分で分けます。
- 分け方が決まった後の家賃は、アパートを受け継いだ人のものです。
1. 家賃は3つの時期に分けて考える

家賃は、いつの分かで扱いが変わります。
| 時期 | 家賃の扱い |
|---|---|
| 亡くなる前の分(未払い) | 親の遺産の一部 |
| 亡くなってから、分け方が決まるまで | 相続人が法定相続分で受け取る |
| 分け方が決まった後 | アパートを受け継いだ人のもの |
この表は、遺言がない場合の考え方です。遺言でアパートを受け継ぐ人が決まっていれば、扱いが変わります。
法定相続分とは、民法で決まった相続の割合です。たとえば、子2人だけなら2分の1ずつです。くわしくは「法定相続人とは|相続順位と取り分(初級編)」をご覧ください。
2. 分け方が決まるまでの家賃
亡くなった後も、入居者は住み続け、家賃を払います。相続人は、親が持っていた貸す側の立場を受け継ぐからです(民法第896条)。
国税庁は、分け方が決まるまでの家賃について、次のように説明しています。
- 相続人それぞれに、法定相続分に応じて入るものとする
- 後で分け方が決まっても、それまでの分の扱いは変わらない
つまり、アパートを最後に受け継ぐのが長男でも、それまでの家賃は全員の分です。「遺産の分け方は、さかのぼらない」と覚えておくと分かりやすいです。
3. 家賃の受け取り方
親の口座は、亡くなったことを銀行が知ると、引き出しが止まることが多いです。入居者や管理会社に、振込先を変えてもらう必要があります。変えるまでの間に、親の口座へ入った家賃も、相続人の分として扱います。振込先を知らせる前に、相続人の間で預かり方を決めておくと、手戻りがありません。
よくあるのは、相続人の代表者の口座で預かる方法です。次のことを、相続人全員で決めておくと、あとでもめにくくなります。
- 誰の口座で預かるか
- 修理代などの支払いをどこから出すか
- 預かった家賃を、いつ・どう分けるか
入出金は、通帳や記録で分かるようにしておきます。預かる口座は、代表者の生活費の口座と分けると、混ざりません。管理会社がいる場合は、管理会社から代表者の口座へ送ってもらう形もあります。管理会社や入居者への連絡は、「相続したアパート ― 管理会社・入居者・保証会社への連絡」をご覧ください。
4. 確定申告に注意
家賃は、不動産所得として確定申告の対象になります。分け方が決まるまでの家賃は、相続人それぞれが法定相続分で申告します。亡くなった年の、親の分の申告(準確定申告)も別に必要なことがあります。具体的な申告は、税理士の先生の領域です。
よくあるご質問
代表者がまとめて受け取ったら、その人の収入になりますか。
預かっているだけなら、全員の分です。ほかの相続人に渡すときの扱いは、税理士の先生に確かめてください。
相続人の1人が、家賃を渡してくれません。
話し合いでまとまらないときは、弁護士の先生の領域です。
修理代や固定資産税は、誰が払いますか。
分け方が決まるまでは、相続人で話し合って負担を決めます。預かった家賃から払う方法もあります。その場合も、記録を残してください。
アパートは売ったほうがいいですか。
入居者がいるまま売る方法もあります。くわしくは「相続した賃貸アパート|入居者がいるまま売るか、持ち続けるか」をご覧ください。
出典:民法(e-Gov法令検索)第896条・第898条/国税庁「平成25年分の所得税における未分割遺産から生ずる不動産所得に係る取扱いについて(情報)」/国税庁 タックスアンサー No.2022 納税者が死亡したときの確定申告(準確定申告)
家賃や申告の扱いは、法律や国税庁の取り扱いで変わることがあります。この記事は2026年11月時点の法律と国税庁の説明をもとにしています。具体的な家賃収入の申告は、税理士の先生にご確認ください。相続の手続き全体のご相談は、まとめる相続でも受け付けています。その他のテーマは不動産コラム(「不動産コラム」)にまとめています。
その他のテーマは不動産コラムにまとめています。