三鷹市で土地や戸建てを売るとき、多くの場合で境界の確定が課題になります。手続き・期間・費用をまとめました。
このページのポイント
- 地籍調査は7%。法務局の図面が、現況と合っているとは限りません
- 市への申請には向こう3軒両隣全員の同意が要り、受付後も標準で2〜3か月
- 報酬に公的な定価はなく、東京の中央値は65.5万円。売り出す前に見積もりを
三鷹市で測量が必要になりやすい理由
※地籍調査は、国と自治体が土地の境界を調べて記録する調査です。
出典:国土交通省「全国の地籍調査実施状況」(令和7年度末時点)
三鷹市の土地の多くは、法務局の図面が現況と合っているとは限りません。古い分譲地や代々受け継がれてきた土地ほど、一から測り直す可能性が高くなります。
平成22年度
地籍調査を始める
令和5年度
「街区境界調査」も開始。市道と民地の境界をまとめて確認
令和8年度
上連雀六丁目・七丁目の各一部で実施
調査済みの区域なら、市役所で成果を無料で閲覧でき、測量の作業を軽くできる場合があります。対象かどうかは当社が調べます。
境界確定の手続きと期間
隣の土地との境界(民民境界)
隣接地の所有者と現地で境界を確かめ、一致したら筆界確認書にします。
市道・水路との境界(官民境界)
立会同意書を集めて三鷹市に申請し、市職員を交えた三者で現地確認。受付から標準でおおよそ2〜3か月です。
隣の土地との境界 ── 立会いと筆界確認書
筆界確認書は法律上の義務ではありません。ただ法務省の通達も「提供を求める取扱いが一般的」と説明する、実務の標準です。
令和4年10月から、筆界確認書を求めない登記も
現地復元性のある地図や地積測量図が残っている場合です。隣地の所有者が分からないときの負担を、軽くするための見直しです。
ただしこれは分筆などの登記の話で、売買で渡す確定測量図は契約の取り決め次第です。
出典:法務省「隣の土地の所有者が分からなくてお困りの方へ」(令和4年10月運用開始)
市道・里道・水路との境界 ── 公共用地境界確定申請
都道に接していれば、東京都北多摩南部建設事務所(府中市)への申出も要ります。市道と都道の両方に接する角地では、手続きが2本立てです。
主な必要書類
- 印鑑登録証明書(発行3か月以内の原本)
- 法務局発行の公図・登記事項証明書
- 縮尺250分の1の現況実測平面図 など
相続した土地で名義が変わっていなければ、追加の書類が要ります。
期限の定めがあります
現地調査後3か月以内に立会いできない場合や、立会い後3か月以内に確定図が提出されない場合は、協議不成立として処理されます。
出典:三鷹市「境界確定について」/東京都建設局「土地境界確認・確定の申出」
全体でどれくらい見ておくか
申請の前 ── 目安なし
資料調査/現況測量/隣接する土地所有者全員からの立会同意の取り付け
▼
申請の受付から完了まで ── 2〜3か月
三鷹市が公表している標準的な期間です
早めの着手。これに尽きます
数か月単位の仕事だと考えて、引き渡しの予定から逆算します。相続税の納税資金を売却でつくるなら、申告期限の10か月から逆算すると、さらに切実です。
費用の目安
土地家屋調査士の報酬規定は平成15年に廃止され、料金は事務所ごとに自由です。公的な定価はありません。
※日本土地家屋調査士会連合会の報酬アンケート(3年ごと)の令和7年度結果です。東京の土地地積更正登記で、前提は市街地の宅地180㎡・隣接6筆の調査・道路と隣接地との筆界確認・境界標3点新設(税抜・実費別)。
同じ調査の中央値は、土地分筆登記(東京)が71.4万円、地積更正登記の全国が42.1万円です。
出典:日本土地家屋調査士会連合会「業務報酬統計資料(令和7年度)」
売り出す前に、見積もりと内訳を確認
土地の形、隣接する筆の数、道路との関係で金額が大きく動きます。当社から、複数の土地家屋調査士に見積もりを依頼することもできます。
実測売買と公簿売買
実測売買
測った面積で代金を決めます。確定測量図を引き渡す約束にすることが多く、その分の期間と費用がかかります
公簿売買
登記簿の面積のまま取引します。法律的にも有効で、測量を省けるので急ぐ売却の選択肢になります

「誤差3〜5%までは許される」に注意
この説明を、不動産流通推進センターは「必ずしも正しいとはいえない」と解説しています。公簿売買は、面積のずれを買主が納得して契約していることが前提です。
- 1「確定測量図を引き渡す」と契約
- 2隣地が立会いを断る
- 3図面が作れない
- 4売主の債務不履行のおそれ契約解除の原因に
なりうるとされています
実測か公簿かは、隣地の協力見込みを見立ててから決めるべき事柄です。
出典:国土交通省「標準媒介契約約款」/不動産流通推進センター「『公簿売買』における面積の誤差によるトラブル防止法」/同「境界明示に関する媒介業者の責任範囲」
もめたときの筆界特定制度
隣地と境界の認識が合わないときに使う、法務局の制度です。裁判ではなく、筆界特定登記官が外部の士業などの意見を踏まえて筆界の位置を特定します。三鷹市の土地は東京法務局(本局)に申請します。
9か月
標準処理期間(東京法務局の公表値)
50〜80万円
測量費用(概ねこの間が多いとされています)
測量費用は、申請手数料とは別に申請人の負担です。手数料は両方の土地の固定資産評価額から算定し、合計4,000万円なら8,000円です(収入印紙で納付)。
出典:東京法務局「筆界特定制度に関するよくある質問」(2026年8月時点の掲載内容)/法務省「筆界特定制度」
この制度のいちばんの教訓
もめてから考えず、売り出す前に境界まわりを見立てておくことです。
当社の進め方
ここまでの調査と見立てに、費用はいただきません。売却の全体像は、三鷹市の不動産売却にまとめています。
よくあるご質問
確定測量をしないと売れませんか。
必ずしも必要ではありません。公簿売買という方法もありますし、現地復元性のある地積測量図が残っていれば活用できる場合もあります。物件と隣地の状況を調べたうえで、どの進め方が向いているかをお伝えします。
期間はどのくらい見ておけばいいですか。
全体の公的な目安はありませんが、三鷹市の官民境界確定だけで受付後2〜3か月、その前に準備期間が必要です。数か月単位で考えて、引き渡しの予定から逆算して早めに着手することをお勧めします。売却活動と並行して進められますので、測量の完了を待って売り出す必要はありません。
費用は誰が負担するのですか。
売買契約では売主が境界を明示すると取り決めるのが一般的なため、その準備としての測量費用は売主の負担になることが多いです。なお、隣地との境界標の設置・保存の費用そのものは、民法上は隣り合う所有者の共同の費用とされ、測量費は土地の広さに応じて分担すると定められています。
隣の方が立会いを断ったらどうなりますか。
筆界確認書が作れないため、契約内容によっては売主の債務不履行になりかねません。だからこそ契約前に協力見込みを見立てます。どうしても一致しない場合は筆界特定制度という手段がありますが、期間と費用がかかります。
隣の土地の所有者が分かりません。
令和4年から法務局の運用が見直され、精度の高い図面が残っている場合には筆界確認書なしで登記できる扱いが始まっています。状況により進め方が変わりますので、まず登記と図面の状態をお調べします。
古い測量図が手元にあります。使えますか。
現地の境界標と図面が照合できれば、活用できる場合があります。ただし三鷹市は地籍調査の進捗率が7%と低く、古い図面が現況と合わないことも多いのが実情です。図面を拝見してから判断します。
市の街区境界調査が済んでいるか知りたい。
三鷹市は令和5年度から地区を区切って街区境界調査を進めており、成果は市役所で無料で閲覧できます。ご所有地が調査済みの区域かどうかは当社で確認しますので、所在地をお知らせください。
三鷹市で売却をお考えの方は三鷹市の不動産売却も併せてご覧ください。
その他のテーマは不動産コラムにまとめています。