定期借家契約は、期間が来たら更新されずに終わる賃貸契約です。普通の契約との違いと、契約のときの決まり、終了の通知の時期をまとめました。
このページのポイント
- 期間が来たら更新なしで終わる契約です。続けるときは再契約します
- 契約の前に説明の書面が必要。期間1年以上なら満了の1年前〜6か月前に通知します
- 当社の考えでは、家賃は下がりません。値上げで揉めない分、運営が楽になります
1. 普通の賃貸契約との違い
当社の考え:定期借家でも、家賃は下がりません
「定期借家は家賃が下がる」と言われます。しかし家賃を決めるのは、場所・広さ・設備です。当社の実感では、定期借家で募集する物件は増えています。
※国の調査(令和7年度)では、民間の賃貸住宅に入った世帯のうち、定期借家は2.0%です。
出典:国土交通省「令和7年度住宅市場動向調査」(令和8年7月17日公表・民間賃貸住宅の賃貸契約の種類)
平成12年3月1日に始まった制度です。一番の違いは、更新がないことです。
| 普通の契約 | 定期借家 | |
|---|---|---|
| 更新 | あり | なし(再契約) |
| 終わり方 | 正当な理由が必要 | 期間満了で終わる |
| 契約の形 | 書面は任意 | 書面か電子 |
| 家賃の改定 | 同意か裁判 | 具体的な特約で可 |
| 1年未満 | 期間なしとみなす | 結べる |
出典:借地借家法(第28条・第29条・第38条・e-Gov法令検索)/国土交通省「定期賃貸住宅標準契約書」について
2. 契約するときの決まり
- 1説明の書面を渡す「更新なし」を前もって説明
- 2書面か電子で契約「更新しない」と契約書に書く
- 3期間を決める1年未満の期間でも結べます
※説明の書面は、契約書とは別の書面が必要です(最高裁 平成24年9月13日判決)。入居者の承諾があれば、電子での提供もできます。
説明をしないと、「更新しない」が無効になります
説明の書面を渡さずに結ぶと、更新がないという定めは無効です。
出典:借地借家法(第38条第1項〜第5項)/国土交通省「定期賃貸住宅標準契約書」(平成30年3月版・解説コメント)
3. 終了の通知
※期間1年未満の契約は、この通知は要りません。
通知は、日付が残る書面で出します
- 通知は書面で。内容証明郵便など、日付が残る方法が確実です
- 再契約するなら、通知書にその旨を書きます
出典:借地借家法(第38条第6項)/国土交通省「定期賃貸住宅標準契約書」(第2条・第18条と解説コメント)
4. 運営が楽になる理由
増える手間
- 期間ごとの通知と、再契約の手続き
- 契約の前の説明の書面
楽になること
- 再契約のときに、家賃を決め直せる
- 期間で終わるので、建て替えや売却の計画が立つ
- 具体的な特約で、改定を決めておける
当社の考え:値上げで揉めるより、格段に楽です
普通の契約では、同意が得られないと値上げは調停や裁判になります。再契約の手間はかかりますが、揉めごとを考えれば小さなものです。当社も自社で定期借家を運用しています。
値上げの進め方は家賃の値上げにまとめています。
よくあるご質問
入居者から、途中で解約できますか。
床面積200㎡未満の住まいなら、できます。転勤・療養・親族の介護などで、住み続けるのが難しくなったときです。申し入れから1か月で終わります。
終了の通知を出し忘れたら、どうなりますか。
期間満了で終わることを、入居者に主張できません。満了の6か月前を過ぎても、満了までに通知すれば、通知の日から6か月後に終えられます。満了を過ぎてしまったときは、弁護士の先生にご相談ください。
今の入居者の契約を、定期借家に変えられますか。
平成12年3月以降の契約なら、入居者と合意すれば結び直せます。入居者に不利な変更なので、当社は空室になってからの切り替えを勧めています。
出典:国土交通省・日本賃貸住宅管理協会「定期建物賃貸借契約《大家さんのための》」(令和6年11月・Q3)
このページは、借地借家法と国土交通省の資料に基づく一般的な説明です(2026年10月時点)。個別の契約書の作り方は、弁護士の先生にご確認ください。
その他のテーマは不動産コラムにまとめています。