中古の一戸建ては、設備より建物の骨格を見て選びます。元住宅営業の代表の考えと、国の検査・保険の仕組みをまとめました。
このページのポイント
- 書類がそろっていても過信しない。外壁・工法・基礎を見ます
- 設備の新しさを強く押す物件は、要注意です
- 見えない所は建物状況調査と瑕疵保険(欠陥の修理費を補う保険)で補います
1. 書類と設備より、建物の骨格を見る
建築確認(着工前の役所の審査)の書類や、長期優良住宅(長持ちする家)の認定があると安心に見えます。ただ、それは建てた時の記録です。
重く見ること
- 外壁の素材と工法
- 基礎の強さと、ひび
- 雨漏りや傾きの跡
決め手にしないこと
- キッチンの新しさ
- トイレや浴室のきれいさ
- 壁紙や床の張り替え

当社の考え:設備の新しさを押す物件は要注意
設備は後から替えられます。骨格は替えられません。設備ばかり勧められたら、まず基礎と外壁を見てください。
2. 建てた時期と書類で分かること
昭和56年6月1日〜
新耐震基準で建築確認
平成12年6月〜
木造の接合部の仕様と、壁の配置の方法が明確に
※日付は建築確認を受けた日で、完成した日ではありません。
※国の簡易な確認方法があります。対象は、昭和56年6月〜平成12年5月に建てた在来工法(柱と梁の工法)の平屋・2階建てです。それ以外は耐震診断で確かめます。
出典:国土交通省「新耐震基準の木造住宅の耐震性能検証法について」(平成29年)/同「熊本地震における建築物被害の原因分析を踏まえた主な取組方針」
そろっているか確かめる書類
- 確認済証:着工前の審査に通った証明
- 検査済証:完成時の検査に合格した証明
- 設計図書・点検記録:残っているかは重要事項説明で分かります
出典:建築基準法(第6条・第7条)/宅地建物取引業法(第35条第1項第6号の2)
3. 現地で確かめる場所
※国の調査の基準では、例えば基礎は幅0.5mm以上のひび、床は6/1000以上の傾き(3mで約1.8cm)を確かめます。床下はシロアリの跡も見ます。
出典:国土交通省「既存住宅状況調査方法基準」(平成29年国土交通省告示第82号。令和6年に改正)
4. 建物状況調査と瑕疵保険
建物状況調査(インスペクション)は、国の講習を受けた建築士が建物の傷みを調べるものです。平成30年4月から、不動産会社に次のことが義務付けられました。
- 1媒介契約調査をする人をあっせんするか
- 2重要事項説明1年以内の調査の有無と、結果の概要
- 3売買契約建物の状態で、双方が確認したこと
出典:国土交通省 報道発表「宅地建物取引業法の一部を改正する法律の施行期日を定める政令」(平成28年12月20日)/宅地建物取引業法施行規則(第16条の2の2)
合格した家だけが入れる
建築士の検査に合格することが条件です
欠陥の修理費を補う
構造や雨水の浸入の欠陥に、修理費などが出ます。受け取るのは売主の不動産会社など(倒産時は買主)です
※昭和56年5月以前に建築確認を受けた家は、耐震基準に合うことを示す書類がないと入れません。
※保険期間は、売主が不動産会社なら2年・5年、個人なら1年・2年・5年。保険金額は500万円・1,000万円などです。
調査は「欠陥がない」という保証ではありません
目で見て測るのが中心で、壁の中や動かせない家具の裏は調べません。だから保険と組み合わせます。
出典:国土交通省「既存住宅状況調査、既存住宅瑕疵保険関係資料」(令和5年9月版)/同「既存住宅売買瑕疵保険について」/既存住宅状況調査方法基準(第11条)(住宅瑕疵担保責任保険協会のサイトに掲載)/ハウスプラス住宅保証「既存住宅売買瑕疵保証責任任意保険 対象住宅基準」(第2条)
購入後の税の戻りは住宅ローン控除の2026年改正にまとめています。
よくあるご質問
建物状況調査は、売主と買主どちらが頼みますか。
どちらからでも頼めます。買主が頼むときは、建物の持ち主である売主の承諾が要ります(国土交通省「改正宅地建物取引業法の施行について」)。
平成12年より前の木造は買わない方がいいですか。
年だけで決める必要はありません。昭和56年6月以降の在来工法で2階建てまでなら、国の簡易な方法で確かめられます。接合部の金物・壁の配置・傷みを見ます。
建物状況調査の費用はどのくらいですか。
国の資料にある一戸建ての例では、基本料金が6万〜9万円台からです。検査会社や広さで変わります。
このページは、国土交通省の資料と法令に基づく一般的な説明です(2026年10月時点)。建物の状態の判断は、建築士の先生にご確認ください。
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