
親が亡くなると、やることが一度に押し寄せます。役所、年金、銀行、相続税。そして家や土地。何をいつまでに、誰に頼めばよいのか、分からなくなりがちです。このページでは、期限の一覧と、不動産に関わる手続きをまとめます。
このページのポイント
- 期限は「7日・14日・3か月・4か月・10か月・3年」の6つを覚えれば足ります。
- 家や土地は、名義・保険・税金・家賃・管理の5つを確かめます。
- 頼む相手は、手続きごとに決まっています。
1. 期限の一覧表

| 期限 | やること | 出すところ |
|---|---|---|
| 7日以内 | 死亡届(死亡診断書を添える) | 市区町村の窓口 |
| 14日以内 | 世帯主の変更届(必要な場合)、国民健康保険などの手続き | 市区町村の窓口 |
| すみやかに | 年金の受給停止の届け出(マイナンバー登録があれば省略できることも) | 年金事務所 |
| 3か月以内 | 相続放棄をするかどうかの判断 | 家庭裁判所 |
| 4か月以内 | 亡くなった人の所得税の申告(準確定申告。必要な場合) | 税務署 |
| 10か月以内 | 相続税の申告と納税(必要な場合) | 税務署 |
| 3年以内 | 相続登記(家や土地の名義の書き換え) | 法務局 |
期限の数え方は、手続きごとに少し違います。死亡届は「死亡を知った日から」、相続税は「死亡を知った日の翌日から」です。相続登記は「相続で取得したと知った日から」です。
迷ったら、死亡日から数えて早めに動けば安全です。
2. 不動産に関わること① 名義と税金
1. 名義の書き換え(相続登記)
2024年(令和6年)4月から、相続登記が義務になりました。相続を知ってから3年以内に法務局で登記します。正当な理由なく放っておくと、10万円以下の過料(罰金のようなお金)の対象です。
2024年4月より前の相続も対象で、2027年(令和9年)3月31日が期限です。手続きは司法書士の先生の領域です。
2. 固定資産税
毎年4〜6月ごろに納付書が届きます。亡くなった人あてに届き続けることがあります。市区町村の税務の窓口に「相続人の代表者」を届け出ます。すると代表者あてに届くようになります。
名義を変えるまでの間、相続人全員で納める責任があります。
3. 不動産に関わること② 保険・家賃・管理
3. 火災保険
保険の契約者が亡くなったら、保険会社か代理店に連絡します。亡くなったことと、家を今どう使っているかを伝えます。そのうえで、名義の変更などの手続きを確かめてください。
空き家になると、補償の条件が変わることがあります。
4. 貸している家の家賃
親がアパートや家を人に貸していた場合、家賃は相続人のものになります。遺産の分け方が決まるまでは、相続人全員で分ける扱いです。
借りている人と管理会社に、振込先の変更を早めに伝えてください。くわしくは相続した賃貸アパートのコラムをご覧ください。
5. 空き家になる家の管理
誰も住まなくなった家は、傷みが早くなります。水道の元栓、ガス、電気、郵便の転送を確かめてください。月に一度は風を通し、庭の草を刈ります。
遠くて通えないときは、管理を頼める会社を探します。くわしくは遠方の実家のコラムをご覧ください。
4. どの先生に頼むか
手続きごとに、頼む相手が決まっています。
- 名義の書き換え(相続登記)→ 司法書士の先生
- 相続税の申告、準確定申告 → 税理士の先生
- 相続放棄などの手続き → 弁護士または司法書士の先生
- 相続人どうしの争い → 弁護士の先生
- 家や土地を売る、貸す、管理する → 不動産会社
出典:戸籍法(e-Gov法令検索)第86条/住民基本台帳法(e-Gov法令検索)第25条/日本年金機構「年金を受けている方が亡くなったとき」/民法(e-Gov法令検索)第915条/国税庁「No.2022 納税者が死亡したときの確定申告(準確定申告)」/国税庁「No.4205 相続税の申告と納税」/法務省「相続登記の申請義務化」/不動産登記法(e-Gov法令検索)第76条の2・第164条
よくあるご質問
相続税がかからなければ、何もしなくてよいですか。
相続税の申告は要らなくても、相続登記は必要です。3年の期限は、相続税がかからない人にもあります。相続税がかかるかどうかの線引きは、相続税の基礎控除のコラムをご覧ください。
家をすぐ売りたいです。名義を変える前に売れますか。
買主に所有権を移す前に、相続登記で名義を相続人に変える必要があります。売却の相談と登記を同時に進めると、時間を短くできます。
親が借りていた家はどうなりますか。
借りる権利も相続されます。住み続けないなら、大家さんや管理会社に解約を申し出ます。解約の予告期間は契約書で確かめてください。
期限を過ぎてしまったものがあります。
手続きごとに対応が違います。相続税は遅れると加算税(遅れた分の罰金のような税)がつくことがあります。早めに、その手続きの先生に相談してください。
相続した家や土地のご相談は、方針が決まる前でも承ります
司法書士・税理士の先生とまとめてご相談いただけます(まとめる相続)。
その他のテーマは不動産コラムにまとめています。