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実家が遠い。仕事もある。毎月は見に行けない。そんなときに使えるのが、空き家の管理を代わりに行うサービスです。ただ、頼む中身は会社ごとにかなり違います。このページでは、頼める作業、料金が変わる所、自分で通う場合との比べ方、契約前の確認点を説明します。
このページのポイント
- 料金は「どこまで頼むか」で決まる。外から見るだけか、家の中まで入るかで大きく違う。
- 自分で通う費用(交通費と時間)と並べると、頼むかどうかを決めやすい。
- 契約前に「鍵の預け方」「報告の中身」「何かあったときの対応」を必ず確かめる。
このページの内容
1. 業者に頼める作業と、料金が変わる所
空き家の管理は、大きく3つの段階に分かれます。
- 1外からの見回り外壁・屋根・窓の目視、郵便受けの確認、写真での報告
- 2室内まで上に加えて、窓を開けて換気、水を流す(通水)、雨漏りの確認、簡単な掃除
- 3庭・その他草むしり、庭木の剪定、台風後の臨時の見回り
| 頼む範囲 | 値段を左右すること |
|---|---|
| 外からの見回り | 回数、家までの距離、報告の写真の枚数 |
| 室内まで | 家の広さ、部屋の数、1回の作業時間 |
| 庭・その他 | 庭の広さ、木の高さ、ゴミの量。1回ごとに別料金のことが多い |
料金は会社ごとにかなり違います。複数の業者から見積もりを取り、同じ作業の中身で比べてください。
前提を決めた例で、月々の料金の目安を示します。
| 前提 | 料金の目安(税込) |
|---|---|
| 一戸建て・関東・月1回・外からの見回りと写真の報告だけ(家の中には入らない) | 月約3,000円 |
| 一戸建て・関東・月1回・家の中に入り、換気と通水まで(1回30〜60分) | 月約8,000円 |
| 上の「家の中まで」を1年続けた場合(草むしりなどの別料金は含まない) | 年約10万円 |
- 上がる:回数を月2回にする。家が広く部屋が多い。家まで遠く、出張費がかかる。草むしり・剪定・台風の後の見回りを足す(1回ごとの別料金が多い)。
- 下がる:外からの見回りだけにする。回数を減らす。
説明のための目安です。実際は見積もりで決まります。業者や建物の状態で変わります。
頼み先の種類と、向いている人
| 頼み先 | 主にしてくれること | 向いている人 | 確かめること |
|---|---|---|---|
| 不動産会社 | 見回り・換気・通水。売る・貸すの相談も一緒にできる | この先、売るか貸すかも考えている人 | 管理を引き受けているか。どこまでするかは会社ごとに違う |
| 空き家の管理を主にする業者 | 決まった作業の組み合わせ(外だけ/室内まで)を月ごとに行う | 作業と報告の形をはっきり決めたい人 | 1回の作業の時間、報告の写真の枚数、追加の料金 |
| シルバー人材センター | 草刈り・庭木の手入れなど、地域の会員ができる作業 | 庭の手入れだけを頼みたい人 | 受けられる作業は、地域のセンターごとに違う。鍵を預ける作業を受けるか |
| 警備会社 | センサーで異常を知らせ、人が駆けつける | 防犯と、何かあったときの駆けつけを重く見る人 | 換気や通水は別のことが多い。機械を置く工事と、電気・通信の契約が要る |
| 空家等管理活用支援法人 | 管理や活用の相談に乗り、持ち主と業者などをつなぐ | 何から頼めばよいか分からない人 | 物件のある市区町村が指定しているか(下の囲み) |
※一般的な分け方です。実際にしてくれることは、会社・団体ごとに確かめてください。
空き家の管理で大事な4つのこと
換気
締め切った家はカビや湿気で傷みます。
通水
水を流さないと、排水口から臭いや虫が上がってきます。
雨漏りの早期発見
見つけるのが遅れると、直す費用がふくらみます。
見た目の管理
草木や郵便物の放置は、空き家だと周りに知らせることになります。
市区町村が指定する「空家等管理活用支援法人」
令和5年の法改正で、市区町村が「空家等管理活用支援法人」を指定できるようになりました。空き家の管理や活用の相談に乗る法人です。物件のある市区町村が指定しているか、窓口やホームページで確かめてみてください。
2. ケーススタディ:Bさんは自分で通うか、頼むか
※説明のための仮の例です。
Bさんは都内に住んでいます。相続した実家は、片道2時間の場所にあります。月1回見に行くとして、1年でかかるものを並べました。
| 項目 | 自分で通う | 業者に頼む(室内まで) |
|---|---|---|
| お金 | 往復4,000円×12回=4万8,000円 | 業者の見積もりの1年分(庭の手入れなど別料金の分も足す) |
| かかる時間 | 移動4時間+作業2時間=6時間×12回=72時間 | 報告を読む時間だけ |
| 体の負担 | 遠出と作業が毎月ある | ほとんどない |
Bさんが比べた2つの数字
- 業者の見積もりの1年分から、自分の交通費の1年分を引いた「差」。
- 自分で通うと使う「1年で72時間」。
Bさんは、自分の1時間を1,000円と考えました。72時間で7万2,000円です。交通費の4万8,000円と合わせると、年12万円になります。業者の見積もりの1年分(別料金の分も足した額)がこれより少なければ、頼むほうが得、という目安にしました。
Bさんが選んだのは、組み合わせ
普段の月
業者に見回りと換気を頼む。
3か月に1回
自分で行って家の中を見る。
台風や大雪の後
臨時の見回りを頼む。
「自分で行く」「全部任せる」の二択にしなくても大丈夫です。
お金のほかに比べること
お金と時間だけでは決めにくいときは、家と自分の事情で比べます。
| 比べること | 自分で通うほうが向く | 業者に頼むほうが向く |
|---|---|---|
| 家までの距離 | 片道1時間ほどで、用事のついでに寄れる | 片道2時間以上。新幹線や飛行機が要る |
| 家の傷み | 傷みが少なく、外を見るだけで足りる | 雨漏りや水回りが心配で、室内まで見たい |
| この先の予定 | 1〜2年のうちに売る・住むと決まっている | 何年か先まで決まらない |
| 急なとき | 近くに見に行ける親せきや知人がいる | 台風や大雪の後に見に行ける人がいない |
3. 契約前に確かめたい7つの点
料金だけで決めると、「思っていた作業と違う」となりがちです。次の7つを、見積もりの段階で書面で確かめてください。
| 1. 作業の中身 | 外だけか、室内も入るか。換気・通水の時間は何分か。 |
|---|---|
| 2. 報告の形 | 写真は何枚か。どこを撮るか。いつ届くか。 |
| 3. 鍵の預け方 | 鍵をどう保管するか。紛失したときの責任はどうなるか。 |
| 4. 何かあったときの対応 | 雨漏りや窓の破損を見つけたら、連絡だけか、応急処置までするか。費用はどうなるか。 |
| 5. 追加料金 | 草むしり、臨時の見回り、ゴミ出しの料金。 |
| 6. 事故のときの補償 | 作業中に家を傷つけたとき、業者の保険で対応するか。 |
| 7. 解約の決まり | 何か月前に言えばやめられるか。売れた場合にすぐやめられるか。 |
| 報告の欄 | 写真や書いてあること | 見る所 |
|---|---|---|
| 日時と作業した人 | 訪ねた日、入った時間と出た時間、担当者の名前 | 決めた回数と時間どおりに来ているか |
| 外回り | 建物の四方の外壁、見える範囲の屋根・雨どい、塀・門の写真 | 前回の写真と比べて、ひびや傾きが増えていないか |
| 郵便受け | 郵便物を取り出した後の写真、届いていた郵便物の一覧 | 大事な通知が届いていないか |
| 室内 | 各部屋の写真、天井・壁・床の写真 | 雨漏りのしみ、カビ、虫やネズミの跡がないか |
| 水回り | 通水した蛇口・排水口の写真、水が出たか・においはどうか | 水漏れや、排水のにおいの上がりがないか |
| 気づいたこと | 傷みや草木の伸び、近所から言われたことを文章で | 直す・様子を見るの判断に使う |
※当社が作った見本です。写真の枚数や撮る所は業者ごとに違います。契約の前に、実際の報告書の見本を見せてもらってください。
- 1同じ場所・同じ向きで撮る玄関の前、家の四隅など、毎回決まった所から撮ってもらう
- 2遠くと近くの2枚家全体の写真と、気になる所に寄った写真をそろえてもらう
- 3前回の写真と並べる前回と並べて届くと、ひびやしみが広がったかに気づきやすい
鍵を預ける前に
鍵を預けることになるので、会社の所在地と連絡先がはっきりしているかも見てください。家財が残っている家なら、預ける前に、貴重品と大事な書類は持ち出しておくと安心です。
4. 業者に頼む前に、自分でやっておくこと

頼む前に整えておくと、頼む作業が減り、料金を抑えやすくなります。
- 冷蔵庫の中身を空にし、生ゴミを残さない。
- 電気・水道を残すか止めるか決める(空き家の水道・電気・ガスは止める?残す?)。
- 郵便物の届き先を整える(空き家の郵便物)。
- 火災保険が今の状態に合っているか確かめる(空き家の火災保険)。
- 近所の方に、連絡先を伝えておく。
管理を頼むのは、時間を作るため
管理を頼むのは、「この先どうするか」を決めるまでの時間を作るためでもあります。片付けの進め方は実家じまいとはで、遠くの実家の考え方は遠方の実家が空き家にで説明しています。
相続税や名義変更も、まとめて相談したい方へ
当社は、税理士・司法書士と組んだ相続の相談窓口まとめる相続を運営しています。士業の手配や日程の調整も、窓口一つで進められます。
よくあるご質問
Q. 管理を頼むと、勧告を受けなくなりますか?
管理を頼むこと自体で勧告がなくなるわけではありません。大事なのは、家の傷みや草木を放っておかないことです。業者の報告で傷みが見つかったら、早めに直すことが必要です。
Q. 家財が残ったままでも頼めますか?
多くの業者は、家財が残ったままでも引き受けます。ただ、貴重品の保管は対象外のことが多いので、先に持ち出しておくと安心です。
Q. 月1回で足りますか?
目安として月1回が多いです。梅雨や夏は湿気がこもるので、回数を増やす人もいます。家の状態を見て、業者と相談してください。
Q. 不動産会社にも頼めますか?
不動産会社によって対応が違います。管理を引き受けるか、どこまでやるかは会社ごとに確かめてください。売ることや貸すことも考えているなら、管理の話と合わせて相談すると話が早く進みます。当社でも、物件の場所や内容など条件によっては見回り・管理をお引き受けできます。
空き家の管理は、「全部自分で」でも「全部任せる」でもなく、組み合わせで考えられます。まずは自分で通う場合の交通費と時間を書き出し、業者の見積もりと並べてみてください。
その先の「売る・貸す・残す」の相談は、株式会社ランドスケープが1都3県で承ります。
出典:国土交通省「空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律(令和5年法律第50号)」、国土交通省「空家等管理活用支援法人(改正概要)」、松戸市「空き家の管理を行う民間サービスの概要」(令和8年1月末時点)、ALSOK「空き家の管理にかかる費用」、大和ハウス工業ほか「リブネス空き家管理サービス」(2019年)
その他のテーマは不動産コラムにまとめています。