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代償分割とは|家を1人が引き継ぎ、ほかの相続人にお金を払う方法

「実家は長男が住み続けたい。でも妹にも何か渡したい」。相続した家は、現金のように簡単には分けられません。そんなときに使う分け方の1つが「代償分割」です。この記事では、仕組みと、お金の額の決め方、注意点を説明します。

このページのポイント

  • 代償分割は、家を1人がもらい、ほかの相続人にお金(代償金)を払う分け方です。
  • 代償金の額を決めるには、家の値段を決める必要があります。
  • 後のもめごとや税の誤解を避けるため、代償分割のことは遺産分割協議書に明記します。

1. 代償分割の仕組み

相続した家の分け方には、大きく3つあります。

  1. 現物分割:家は長男、預金は次男、のように物ごとに分ける
  2. 換価分割:家を売って、お金にしてから分ける
  3. 代償分割:家は長男がもらい、長男が次男にお金を払う

代償分割では、家をもらう人が自分のお金で払います。単純な例で考えます。相続人は兄と妹の2人で、遺産は家(3,000万円)だけ、ほかの財産はないとします。

兄が家をもらい、妹に1,500万円を払えば、取り分は同じになります。この1,500万円を「代償金」と呼びます。相続税の計算は、国税庁の説明(No.4173)にあります。

払った人は、家の値段から代償金を引いた額で計算します。受け取った人は、代償金を自分の相続分として計算します。代償金の額を時価で決めた場合は、計算のしかたが変わります。税理士の先生の領域です。

2. 換価分割との違い

換価分割は、家を売ってお金で分ける方法です。くわしくは換価分割のコラムをご覧ください。

2つの違いは、家を残すかどうかです。

代償分割換価分割
家1人が持ち続ける売ってなくなる
必要なもの払う人のまとまったお金買い手
値段の決め方相続人で決める必要がある売れた値段で決まる

代償分割は、家を残せるのが利点です。一方で、家をもらう人に、まとまったお金が要ります。手持ちのお金で払えない場合は、換価分割を選ぶことが多いです。

3. 代償金の額は「家の値段」で決まる

代償分割で一番むずかしいのは、家の値段の決め方です。家には複数の値段があります。相続税評価額(相続税を計算するための値段)は、売れる値段より低いことが多いです。

相続税評価額で代償金を決めると、家をもらう人が有利になりがちです。売れる値段で決めると、お金をもらう人の取り分が増えます。

どの値段を使うかは、相続人の話し合いで決めます。

話し合いの材料として、不動産会社の査定を使う方法があります。査定は、今売ったらいくらになるかの見積もりです。受け方は不動産査定のご案内をご覧ください。

複数の会社の査定を並べると、納得しやすくなります。

4. 遺産分割協議書に明記する

代償分割をするときは、遺産分割協議書に明記します。後のもめごとや、税の誤解を避けるためです。遺産分割協議書とは、誰が何をもらうかを相続人全員で決めた書面です。ここに「兄が家をもらう代わりに、妹に1,500万円を払う」と書きます。

書いていないと、相続の分け方だと説明しにくくなります。兄から妹へのお金が「ただの贈与」と疑われることもあります。

贈与と見られると、妹に贈与税がかかることがあります。国税庁の説明(No.4173)でも、代償分割は遺産分割の1つの方法です。

書面にして初めて、相続の一部として説明できます。協議書の書き方や、家の名義変更は、司法書士の先生の領域です。

出典:国税庁 タックスアンサー No.4173 代償分割が行われた場合の相続税の課税価格の計算/国税庁 タックスアンサー No.4152 相続税の計算/国税庁 所得税基本通達 法第33条《譲渡所得》関係(33-1の5 代償分割による資産の移転)

よくあるご質問

代償金は分割払いでもいいですか。

相続人全員が合意すれば、分割払いも可能です。ただし、払いきれなくなると後でもめます。払い方と期限を協議書に書いておくことをおすすめします。

代償金の代わりに、自分の土地を渡してもいいですか。

お金以外の財産を渡すこともあります。ただし、国税庁の通達(取り扱いの決まり)があります。土地などを渡すと、渡した人が「売った」扱いになります。渡した人に、売った利益の税金がかかることがあります。お金以外で払うときは、税理士の先生に相談してください。

代償金をもらう側は、税金がかかりますか。

代償金は相続財産の一部として扱われます。遺産の合計が基礎控除を超えると、相続税の対象です。計算は税理士の先生の領域です。

家の値段で意見が合わないときは。

まず、査定を複数とって材料をそろえます。それでもまとまらないときは、不動産鑑定士の先生に評価を頼む方法もあります。話し合い自体がまとまらない場合は、弁護士の先生の領域です。

分け方の決まりや税の扱いは、変わることがあります。この記事は2026年11月時点の国税庁の説明をもとにしています。実際に進めるときは、最新の情報で確かめてください。

代償分割の相続税・贈与税の具体的な扱いは、税理士の先生にご確認ください。

相続した家や土地のご相談は、方針が決まる前でも承ります

司法書士・税理士の先生とまとめてご相談いただけます(まとめる相続)。

その他のテーマは不動産コラムにまとめています。

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