ランドスケープ ロゴ 株式会社ランドスケープLANDSCAPE 0422-24-7341
PAGE

査定書の見方|3社の査定額が違うときに確かめる5つの点

公開日

書斎の机に3冊の査定書を横に並べ、男性があごに手を当てて見比べている場面。

空き家を売ろうと思い、3社に査定を頼んだ。返ってきた査定書は、厚さも書き方もばらばら。査定額も、いちばん高い会社と低い会社で800万円違う。どれを信じればいいのでしょうか。答えは、査定額ではなく、その数字の「根拠」を比べることです。

このページは、手元に何社かの査定書がある人に向けて、査定書のどこを見て、何を聞けばよいかをまとめます。特定の会社をすすめるものではありません。査定の申し込み方や、机上の査定と訪問の査定の違いは、三鷹の不動産査定|家・マンション・土地を無料で、根拠つきでで説明しています。

このページのポイント

  • 査定額は、多くの場合「3か月ほどで売れそうな値段」の見立てで、約束ではありません。会社には、値段の意見を言うときに根拠を示す決まりがあります(宅地建物取引業法34条の2第2項)。
  • 査定書で見るのは5つ。①比べた取引の例 ②例との違いの調整 ③建物の扱い ④売れるまでの見込み ⑤前提の条件。
  • 3社の査定書を、この5つで1枚の表に並べます。差の理由が分かれば、どの数字を土台にするかが決まります。

1. 査定額は「約束」ではなく「見立て」

査定額は、不動産会社が「このくらいなら、3か月ほどで売れそう」と見立てた値段です(業界で使われる査定のマニュアルは、3か月ほどで買い手が付くことを目安にしています)。その値段で売れることを約束するものではありません。高い査定を出した会社が、その値段で売ってくれるわけではないのです。

高すぎる査定額で売り出す

問い合わせが来ない

値下げを繰り返すことになりがち

その間も、空き家の維持費はかかり続けます(空き家の年間の維持費)。

査定額とは別の「値段」

相続税の計算に使う値段(路線価など)や、固定資産税の評価額は、査定額とは別のものです。違いは相続税評価額とは|売れる値段・固定資産税評価額との違いで説明しています。

2. 査定書で見る5つの所

宅地建物取引業法では、会社が売る値段について意見を言うときは、その根拠をはっきり示さなければならないと決められています(34条の2第2項)。査定書は、その根拠が書かれた紙です。受け取ったら、次の5つを見ます。

  1. 1比べた取引の例成約か・時期・件数・距離
  2. 2例との違いの調整上げ下げの説明
  3. 3建物の扱い最も分かれやすい
  4. 4売れるまでの見込み何か月・見直し方
  5. 5前提の条件測量・片付け・不具合

① 比べた取引の例

査定の土台は、近くで似た家がいくらで取引されたかです。見る所は4つあります。

  • 例は「実際に売れた値段(成約の値段)」か、「売り出し中の値段」か。売り出し中の値段は、まだ売れていない値段です。
  • いつの取引か。この1年か、2〜3年前か。
  • 何件載っているか。1〜2件だけでは、たまたまの値段に引っぱられやすい。
  • どのくらい近いか。同じ町内か、駅の反対側か。

例の値段は、国土交通省の「不動産情報ライブラリ」で、近くの取引の値段と見比べられます。

② 例との違いの調整

例の家と、自分の家の違いを、値段に足したり引いたりした所です。駅からの距離、道路の幅、土地の形、日当たり、角地かどうかなどです。「どの点で、どれだけ上げ下げしたか」が書いてあるかを見ます。書いていなければ、「この家が例より低い(高い)のはどこですか」と聞きます。

③ 建物の扱い

空き家で、会社ごとに最も分かれやすい所です。築40年を超える木造の家では、考え方が分かれます。

ほとんど入れない

建物をほとんど値段に入れない。

少し値段を付ける

「直して住みたい人」向けに、少し値段を付ける。

壊す費用を引く

古い家を壊す費用を引いた「土地だけの値段」で出す。

どの考え方かで、数百万円の差が出ることがあります。家を残して売るか、壊して売るかの考え方は相続した家は「壊して売る」か「そのまま売る」か|解体の時期と費用の持ち方で説明しています。

④ 売れるまでの見込み

何か月で売れる想定か。売れなかったときに、いつ、どう見直すか。この2つが書いてある会社は、売り出した後の進め方まで考えています。

⑤ 前提の条件

境界がはっきりしているか、家財を片付けるか、雨漏りなどの不具合をどう考えたか。

前提A

今のまま売る

測量も片付けもしない。

前提B

測量をして、片付けた後に売る

同じ家でも、査定額が変わる。

前提が書いていなければ、「測量や片付けをしない前提ですか」と聞きます。

3. 3社の査定書を1枚の表に並べる

3冊の査定書を見比べるのは大変です。次の表に書き写すと、差の理由が一目で分かります。

見る所1社目2社目3社目
査定額
① 比べた取引の例(成約か売り出し中か・時期・件数・距離)
② 調整の説明(上げた点・下げた点)
③ 建物の扱い(値段に入れたか・0円か・壊す費用を引いたか)
④ 売れるまでの見込みと、見直しの計画
⑤ 前提の条件(測量・片付け・不具合)
空欄の所(書いていなかったこと)

「空欄の所」の行が大事です

書いていないことは、その会社に聞く質問になります。

4. ケーススタディ:3社の査定が800万円違ったAさん

打ち合わせの席で、不動産会社の担当者が地図を指して説明し、女性が質問している場面。

(人物・会社・金額は、すべて説明のための仮の例です)Aさんは、神奈川県の住宅地にある実家(土地120㎡、築48年の木造)を相続しました。3社に訪問の査定を頼み、上の表に書き写しました。

見る所1社目2社目3社目
査定額3,400万円3,000万円2,600万円
① 比べた取引の例2件。1件は売り出し中の値段、1件は2年前の成約で駅に近い成約5件。この1年で、同じ町内を含む成約4件。この1年
② 調整の説明書いていない道路の幅と土地の形で下げた理由を表で説明道路の幅で下げた、と一言
③ 建物の扱い200万円入れた0円壊す費用を引いた
④ 売れるまでの見込み書いていない3か月。決まらなければ1か月ごとに見直す2か月
⑤ 前提の条件書いていない今のまま。片付けは売り主がする今のまま。家財ごと
空欄の所②④⑤なし②が短い

Aさんは、不動産情報ライブラリで近くの取引も見ました。似た広さの土地付きの古い家は、この1〜2年で2,800万〜3,200万円ほどでした。表と取引の値段から、Aさんは差の理由をこう読みました。

1社目

3,400万円

例に売り出し中の値段が入り、成約の例も古い。建物に200万円入れた理由も書いていない。

2社目

3,000万円

成約の例が新しく数も多い。取引の幅の真ん中に入る。

3社目

2,600万円

壊す費用を引き、家財ごと早く売る前提。前提が違うので、低いのは当然だった。

3社目に聞くと、「片付けをして、急がないなら、もう少し上でも」という答えでした。つまり、3社の差800万円のうち、かなりの部分は「前提の違い」と「例の選び方の違い」でした。Aさんは、2社目の3,000万円を土台にして、売り出しの値段と見直す時期を決めました。

Aさんの決め方のコツ

  • いちばん高い数字ではなく、根拠がいちばんはっきりしている数字を土台にした。
  • 3社を同じ表に並べ、空欄の所を質問にした。
  • 前提がそろっていない査定額は、そのまま比べなかった。

5. 査定書を読んだ後に聞く質問

表の空欄を埋めたら、次の質問で、会社ごとの考え方の違いを確かめます。答えを書き留めて比べてください。

質問見たい所
例の中に、売り出し中の値段は入っていますか成約の値段を土台にしているか
建物は値段にいくら入っていますか。その理由は建物の扱いに筋が通っているか
どんな人が買うと考えていますか住む人、建て替える人、業者。それに合った値段か
3か月売れなかったら、どう見直しますか値下げだけでなく、見せ方・売り方の見直しがあるか
測量・片付けをした場合、査定額はどう変わりますか前提を変えたときの差が分かるか

売り出した後に問い合わせが少ないときの見直し方は売りに出した空き家に問い合わせが来ない|値段・広告・内見のどこで止まっているかで説明しています。相続した家の売却の全体の流れは、相続した家・実家の売却にまとめています。

実家を売るときに後悔しやすい点と、前もってできる準備は、実家の売却で後悔しやすいことと、後悔しないための準備にまとめています。

相続税や名義変更も、まとめて相談したい方へ

当社は、税理士・司法書士と組んだ相続の相談窓口まとめる相続を運営しています。士業の手配や日程の調整も、窓口一つで進められます。

よくあるご質問

Q. 査定は何社に頼めばいいですか?

2〜3社が目安です。多すぎると、査定書を読んで比べる手間が増えます。その地域の取引にくわしい会社と、広い地域で営業している会社を混ぜると、見方の違いが分かりやすくなります。

Q. 机上の査定(現地を見ない査定)の査定書でも、5つの所は見られますか?

①と②は見られます。③と⑤は、家の中を見ていないので、仮の前提になっていることが多いです。机上の査定どうしで比べ、売り出しの値段を決める前に訪問の査定を頼むと確かです。

Q. 査定書に根拠がほとんど書いていません。

根拠は、口で説明してもらっても構いません。「比べた例と、上げ下げした点を教えてください」と頼んでください。説明を聞いて、表の空欄を埋めます。

Q. 査定額に納得できないときは?

根拠をもう一度聞きます。比べた例を変えるとどうなるか、建物の扱いを変えるとどうなるか、具体的に聞くと、値段の幅が見えてきます。納得できないまま契約する必要はありません。

3社の査定額が違うときは、数字の高さではなく、査定書に書かれた根拠で比べます。比べた取引の例、調整、建物の扱い、売れるまでの見込み、前提の条件の5つを、1枚の表に並べてください。空欄の所を質問にすれば、差の理由が分かり、どの数字を土台にするかが決まります。

出典:e-Gov法令検索「宅地建物取引業法」第34条の2第2項/東京都「マンション購入・売却ガイドブック」Ⅲ章/公益財団法人 不動産流通推進センター「既存住宅価格査定マニュアル利用の手引き」/国土交通省「不動産情報ライブラリ」

その他のテーマは不動産コラムにまとめています。

CONTACT

まずは状況をお聞かせください

ご相談内容がまとまっていない段階でも構いません。
状況をうかがい、必要な選択肢を一緒に整理します。

お電話でのご相談も受け付けています(年中無休 10:00〜19:00)

0422-24-7341

株式会社ランドスケープ|東京都三鷹市中原2-20-3