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空き家は、昼も夜も人の目がありません。そのため、空き巣や勝手な出入り、放火にねらわれやすくなります。ただ、高い機械を付けなくても、できることは多くあります。このページでは、ねらわれやすい家の特徴、点検する場所、お金のかからない順の対策を説明します。
このページのポイント
- ねらわれるのは「人がいないと外から分かる家」。郵便受け・雑草・雨戸の閉めっぱなしが目印になる。
- 住宅全体では鍵のかけ忘れが最も多く、一戸建てでは窓ガラスを割る手口がいちばん多い。まず全部の鍵と窓を確かめる。
- 放火を防ぐには、家の周りに燃えやすい物を置かないことが一番。
このページの内容
1. なぜ空き家はねらわれるのか
国の統計では、令和6年の火災の原因は「たばこ」が3,058件で1位でした。一方、「放火」と「放火の疑い」を合わせると3,904件あります。放火は、火事の原因として今も大きな割合を占めています。
※令和6年の火災の原因(総務省消防庁「令和7年版 消防白書」)。「たばこ」は原因の1位。
住宅への空き巣も、手口ははっきりしています。警察の統計では、住宅に入られた手口は「鍵のかかっていない所から」が最も多く、次が「窓ガラスを割って」です。ただ、一戸建てに限ると、窓ガラスを割る手口がいちばん多いとされています。空き家の多くは一戸建てなので、窓の対策が特に大事です。
※警察庁「令和6年の刑法犯に関する統計資料」(全国)。住宅への空き巣・忍込み・居空き15,865件のうち、「鍵のかかっていない所から(無締り)」7,455件(47%)、「窓ガラスを割って」5,006件(32%)。
空き家がねらわれやすい3つの理由
気づかれにくい
中に人がいないので、物音がしても誰も出てこない。
発見が遅れる
入られても、次に誰かが行くまで分からない。
見た目で分かる
郵便物や草木で、空き家だと外から読み取れる。
困るのは、物を盗まれることだけではありません
勝手に住みつかれる、ゴミを捨てられる、たまり場になる、といったことも起こり得ます。近所の方の不安にもつながります。
2. 外から見られる所の点検表
空き家に行ったら、次の表で外回りを見てください。「空き家だと分かる目印」を一つずつ消していくのが基本です。
| 場所 | 見る所 | 空き家だと分かる目印 | すること |
|---|---|---|---|
| 郵便受け | 中身・投げ込み | チラシがあふれている | 空にする。送り先を変える(空き家の郵便物) |
| 玄関・勝手口 | 鍵・ドアのすき間 | 鍵が古い、ドアが浮いている | 鍵を確かめる。補助の鍵を付ける |
| 窓・雨戸 | 鍵・ガラス | 雨戸が何か月も閉めっぱなし | 窓の鍵を全部確かめる。補助の鍵を付ける |
| 家の周り | 置いてある物 | 段ボール・古新聞・枯れ草 | 片付ける。物置に入れて鍵をかける |
| 庭・塀 | 草木の伸び | 草が腰の高さまで伸びている | 刈る(空き家の庭木・雑草) |
| 物置・車庫 | 鍵 | 開けっぱなし | 鍵をかける。はしごは中にしまう |
| 照明 | 門灯・玄関灯 | 夜ずっと真っ暗 | 人が近づくと点く灯りや、時間で点く灯りを付ける |
はしごや脚立は、外に置かない
はしごや脚立を外に置いておくと、2階の窓から入る道具になります。必ず物置にしまって鍵をかけてください。
3. お金のかからない順の対策
対策は、お金のかからない順に進めるのがおすすめです。
| 段階 | ねらい | 値段を左右すること |
|---|---|---|
| お金がかからない | 空き家だと見せない。燃える物をなくす | ― |
| 道具を付ける | 入るのに手間をかけさせる。夜も人の気配を出す | 窓や出入り口の数、灯りの数 |
| 工事・機械を入れる | ガラス破りに強くする。離れていても様子を見る | 窓ガラスの広さ、カメラの台数、ネット回線の有無 |
| 月ごとの契約 | 異常のときに人が駆けつける・定期的に人が来る | 駆けつけの距離、見回りの回数 |
工事や契約を頼むとき
複数の会社から見積もりを取って比べてください。見積もりでは、付ける場所と数、月ごとの料金に何が含まれるか、やめるときの決まりを確かめます。
見守りカメラは、電気とネット回線が要ります。電気を残すかどうかは、空き家の水道・電気・ガスは止める?残す?を見て決めてください。灯りも電気が要りますが、電池式やソーラー式なら電気を止めた家でも使えます。
放火への備え
放火の多くは、家の周りの燃えやすい物に火をつけられるものです。自治体の消防も、次のことを呼びかけています。
- 家の周りに新聞・雑誌・段ボールなど燃えやすい物を置かない。
- 門扉、通用口、車庫、物置のドアに鍵をかける。
- 不要品や古い木材は、物置などにしまう。
空き家に古い家財が山積みになっているときは、片付けも防犯になります。片付けの進め方は実家じまいとはで説明しています。
4. ケーススタディ:片道1時間半の実家を管理するAさん

※説明のための仮の例です。
Aさんは、相続した実家に月1回通っています。仕事があるので、それ以上は行けません。Aさんは、点検表で外回りを見て、次のように組み立てました。
1回目に行ったとき
郵便受けを空に。勝手口の段ボールと古新聞を処分。はしごを物置へ入れて鍵(お金はかからない)
2回目
全部の窓に補助の鍵。玄関と裏に、人が近づくと点く電池式の灯り(道具代だけ)
3回目
両隣と向かいの家に、自分の連絡先を書いた紙を渡してあいさつ(お金はかからない)
それ以降
月1回の見回り。郵便は差出人に連絡して減らした(交通費だけ)
Aさんは、見守りカメラも考えました。ただ、ネット回線の月額がかかるうえ、カメラで異常を見ても、すぐには駆けつけられません。そこで、「すぐ駆けつけられないなら、入りにくくすることに先にお金を使う」と決めました。何かあれば、近所の方から電話がもらえる形にしています。
Aさんの判断の基準
| 考えること | Aさんの判断 |
|---|---|
| すぐ駆けつけられる距離か | 遠いなら、入りにくくする対策を先に。 |
| 家財に価値のある物が残っているか | 残っているなら、まず持ち出す。 |
| 売る・貸す予定はいつか | 1年以内なら大きな機械にお金をかけすぎない。 |
5. 入られた・荒らされたと気づいたら
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よくあるご質問
Q. 雨戸は閉めておくほうがいいですか?
窓ガラスを守る面では閉めておくのが安心です。ただ、何か月も閉めっぱなしだと、空き家だと外から分かります。行ったときに開けて換気し、帰るときに閉める、と決めておくとよいでしょう。
Q. 「防犯カメラ作動中」のシールだけでも効果はありますか?
入りにくい家に見せる効果はあります。ただ、それだけに頼らず、鍵や窓の対策と組み合わせてください。
Q. 近所の方に空き家だと伝えるのは、かえって危なくないですか?
近所の方は、すでに空き家だと気づいていることがほとんどです。連絡先を伝えておくと、異常のときにすぐ知らせてもらえます。伝える相手は、両隣と向かいなど顔の分かる方にしぼると安心です。
Q. 勝手に住みつかれていたら、自分で追い出してもいいですか?
自分で荷物を出したり、力ずくで追い出したりすると、かえって問題になることがあります。まず警察に相談し、その後の手続きは弁護士の先生に確かめてください。
空き家の防犯は、「空き家だと見せない」「入りにくくする」「燃える物を置かない」の3つです。次に行くときは、上の点検表を印刷して、外回りを一周してみてください。管理を続けるのが負担になってきたら、売る・貸すも選択肢になります。
1都3県の空き家のご相談は、株式会社ランドスケープへお問い合わせください。
出典:総務省消防庁「令和7年版 消防白書 第1章第1節 1.火災の現況と最近の動向(4. 出火原因)」、警察庁「令和6年の刑法犯に関する統計資料」(図表2-2-1-4 侵入手段別)、警察庁「住まいる防犯110番 侵入窃盗の侵入手口」、茨城県警察「侵入窃盗」、横浜市消防局「放火火災の傾向と対策」
その他のテーマは不動産コラムにまとめています。