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相続放棄をしたのに、実家の固定資産税の通知が届いた。放棄を考えているけれど、今年の分は払うべきか迷う。固定資産税は「1月1日」が基準なので、時期によって答えが変わります。この記事では、相続放棄と固定資産税の関係を、順を追って説明します。
このページのポイント
- 固定資産税は、毎年1月1日の持ち主にかかります。
- 放棄が認められれば、親の分の税も、翌年からの税も、原則として引き継ぎません。
- 通知が届いたら、放棄が認められた書類の写しを添えて、市役所に伝えます。
1. 固定資産税の基本 ― 1月1日の持ち主にかかる
固定資産税は、毎年1月1日の時点の持ち主にかかります(地方税法359条)。持ち主は、原則として登記簿に名前がある人です(同法343条)。登記簿の名前の人が、1月1日より前に亡くなっていたとします。その場合は、その日に実際に持っている人にかかります。相続では、相続人がこれに当たります。
2. 亡くなった年の分は誰が払うか
たとえば、親が2026年3月に亡くなったとします。2026年1月1日には親が生きていたので、2026年度の税は親にかかっています。親が払い終える前に亡くなると、この税は親の借金と同じ扱いです。相続人が引き継いで払います(地方税法9条)。
ただし、相続放棄をした人は、初めから相続人でなかったとみなされます。民法939条の決まりです。そのため、放棄が認められれば、この税も引き継ぎません。放棄を考えている間に、親の分を自分のお金で払うかどうかは、慎重に考えてください。親の預金から払うと、扱いが問題になることがあります(「相続放棄の前後にしてはいけないこと|家の片付け・売却・預金」)。
3. 翌年からの分は誰が払うか

2027年1月1日の時点で、登記簿の名前が親のままだとします。この場合、実際に持っている相続人に税がかかります。放棄した人は持ち主ではないので、原則としてかかりません。
ただ、市役所は誰が放棄したかを自動では知りません。放棄の前後で、通知が届くことがあります。そのときは、家庭裁判所の「相続放棄申述受理通知書」の写しを添えて伝えます。受理通知書は、放棄が認められたことを知らせる書類です。
三鷹市の場合、窓口は市民部資産税課です。所有者が亡くなったときは「相続人代表者届出書」を出す案内があります。名義を変えるまで、通知を受け取る代表者を決める届けです。放棄した人は、代表者にならないよう注意してください。
4. 全員が放棄したとき
相続人が全員放棄すると、財産は「相続財産法人」という扱いになります。地方税法9条でも、この法人が税を引き継ぐ相手に入っています。実際の整理は、家庭裁判所が選ぶ相続財産清算人が行います。くわしくは「相続放棄をすると土地はどうなるか|管理の義務が残る場合」をご覧ください。
よくあるご質問
放棄しても家の管理の義務が残ると聞きました。税もかかりますか。
管理の義務と税は、別の話です。その家に住んでいるなどの場合、放棄しても管理の義務が残ることがあります。ただし、それだけで持ち主として税がかかるわけではありません。個別の扱いは、市役所の窓口で確かめてください。
放棄の前に、すでに払ってしまいました。
戻るかどうかは、事情によって変わります。市役所の窓口に、放棄が認められたことを伝えて相談してください。税の判断は税理士の先生の領域です。
自分の土地も同じ市にあります。
自分の名義の土地の税は、相続とは関係なくかかります。放棄で消えるのは、親から引き継ぐ分だけです。
出典:e-Gov法令検索 地方税法(第9条・第343条・第359条)/e-Gov法令検索 民法(第939条・第940条・第951条)/三鷹市「土地・家屋の所有者が死亡した場合の納税義務者」/三鷹市「固定資産税(納税通知書)に関する主な届出書」/裁判所「相続の放棄の申述」
固定資産税の扱いは、市区町村ごとに届け出の名前や手順が違います。この記事は2026年11月時点の地方税法と三鷹市の案内をもとにしています。手続きの前に、物件のある市区町村で確かめてください。
具体的な固定資産税の扱いは、税理士の先生にご確認ください。
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