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相続した家の分け方が決まったら、遺産分割協議書を作ります。遺産分割協議書とは、誰が何をもらうかを相続人全員で決めた書面です。家を売って分けるときや、お金で調整するときは、書くことが増えます。この記事では、家について書くときの形と、書き忘れやすい点を説明します。
このページのポイント
- 家の表示は、登記事項証明書(登記簿)のとおりに正確に書きます。
- 売って分けるときは、「売ること」と「代金を分ける割合」を書きます。
- 代償金を払うときは、「誰が誰にいくら、いつまでに」を書きます。
1. 基本の形(法務局の記載例から)

法務局は、相続登記の申請書と遺産分割協議書の記載例を公開しています。記載例の主な項目は次のとおりです。
- 亡くなった人の氏名と、亡くなった日
- 相続人全員で話し合ったこと
- 「下記の不動産は、〇〇が相続する」という決めた内容
- 家と土地の表示(所在・地番・家屋番号など)
- 日付と、相続人全員の住所・氏名、実印
これは一般的な形の説明です。個別の協議書は、司法書士の先生にご相談ください。
家の表示は、登記事項証明書に書いてあるとおりに写します。住所(住居表示)とは違うことがあるので、注意してください。相続人全員が実印を押し、印鑑証明書を用意します。登記を申請する本人の分は、要らない扱いです(法務局の案内)。協議書は、人数分を作って1通ずつ持つ形が一般的です。
2. 売って分けるとき(換価分割)に書くこと
家を売ってお金で分けることを「換価分割」といいます。流れは「換価分割とは|相続した家を売って代金を分ける流れと名義の付け方」をご覧ください。協議書には、次のことを書いておきます。
| 書くこと | 例 |
|---|---|
| 家を売ること | 下記の不動産を売り、代金を分ける |
| 分ける割合 | 長男2分の1、長女2分の1 |
| 差し引く費用 | 仲介手数料・登記の費用・測量費などを引いた残りを分ける |
| 名義と手続き | 売るために長男の名義にし、長男が手続きをする |
(例の文は説明用です。実際の文は司法書士の先生と決めてください。)代表者1人の名義にして売る場合は、とくに大切です。「売るための名義で、代金は割合どおりに分ける」と書きます。書いていないと、代表者がもらった後に配ったお金が贈与と見られるおそれがあります。
国税庁の説明では、売るときまでに割合が決まっていたとします。その場合は、その割合で各自が申告することがあります。割合が書いてあると、売った後の税の申告もしやすくなります。税の申告は「換価分割の税金は誰が申告するか|売って分けたときの譲渡所得」をご覧ください。
3. 代償金を払うとき(代償分割)に書くこと
家を1人が継ぎ、ほかの相続人にお金を払う分け方です。協議書には、次のことを書きます。
- 誰が家を相続するか
- その代わりに、誰が誰にいくら払うか
- いつまでに、どの方法で払うか(分割払いなら回数と各回の額)
代償分割の仕組みは「代償分割とは|家を1人が引き継ぎ、ほかの相続人にお金を払う方法」をご覧ください。国税庁の説明(No.4173)では、代償分割は遺産分割の方法の1つです。協議書に書いておくと、相続の一部として説明しやすくなります。
母が住み続けるために配偶者居住権をつけるとき、協議書に書くことは配偶者居住権があると家は売れるのかで説明しています。
4. 書き方で困りやすいこと
- 相続人が1人でも欠けると、協議書として使えません。
- 押す印は、印鑑証明書と同じ実印です。
- 書き間違えたら、訂正のしかたを司法書士の先生に確かめます。
- 預金なども一緒に書くか、家だけ別の協議書にするかは自由です。
よくあるご質問
協議書は自分たちで作ってもいいですか。
自分たちで作ることもできます。ただ、家の名義変更に使うため、不備があると登記で止まります。作成と登記は、司法書士の先生の領域です。
遠くに住む兄弟がいて、集まれません。
同じ協議書を郵送で回して、順に署名・押印する方法があります。全員の署名がそろえば使えます。
売った代金の分け方を、後で変えたくなりました。
後から変えると、税の扱いが複雑になることがあります。変える前に、税理士の先生に相談してください。
出典:法務局 不動産登記の申請書様式について(2-1 相続)/法務局 登記申請書の記載例(遺産分割・2026年10月5日以降)/法務局 相続登記申請手続のご案内(遺産分割協議編)/国税庁 質疑応答事例 未分割遺産を換価したことによる譲渡所得の申告とその後分割が確定したことによる更正の請求、修正申告等/国税庁 タックスアンサー No.4173 代償分割が行われた場合の相続税の課税価格の計算
登記の様式や税の扱いは、変わることがあります。この記事は2026年11月時点の法務局・国税庁の資料をもとにしています。実際に作るときは、最新の情報で確かめてください。
具体的な協議書の文と登記は、司法書士の先生にご確認ください。
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