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借地権の相続でよくあるトラブル|地代・建て替え・明け渡し

公開日 最終更新

借りている土地に建つ古い家の前で、男性が書類を手に、地主と向かい合って話している様子の絵

借りた土地に建つ実家を相続すると、地主との付き合いも引き継ぎます。地代の値上げや建て替えの話で、地主ともめることがあります。この記事では、相続のあとに起きやすいトラブルと、法律の決まりを説明します。相続の手続きそのものは、「借地権付きの建物を相続したら|地主への連絡と名義書換料」をご覧ください。

このページのポイント

  • 地代の値上げでもめている間は、少なくとも、これまでの地代を下回らない額を払うのが基本です。
  • 建て替えや増築に地主が反対しても、裁判所が許可を出す制度があります。
  • 期間が終わっても、建物があれば、地主が断るには「正当な事由」が要ります。

1. トラブル1 地代の値上げを求められた

相続をきっかけに、地主から地代の値上げを求められることがあります。地代の増減は、借地借家法11条に決まりがあります。税金や土地の値段、近所の地代と比べて不相当になったとき、増減を求められます。相続したこと自体は、値上げの理由として法律には書かれていません。

話し合いがつかないときは、少なくとも、これまでの地代を下回らない額を払うのが基本です(同条2項)。これまでより少ない額だと、払っていないと扱われるおそれがあります。ただし、後で裁判で額が決まると、不足分に年1割の利息を付けて払います。地代を止めるのは危険です。契約を解除されるおそれがあります。地主が受け取らないときは、法務局に預ける方法があります。これを「供託」と言います(民法494条)。

2. トラブル2 建て替えや増築を断られた

建て替えに地主の承諾があれば工事へ、なければ裁判所に申し立てる道に分かれる流れの絵

借地の契約に「増改築には地主の承諾が要る」と書かれていることがあります。この場合、建て替えの前に地主の承諾をもらいます。承諾料を求められるのが一般的です。

地主が承諾しないときは、裁判所に許可を求められます(借地借家法17条2項)。土地の普通の使い方として相当な増改築なら、許可が出る場合があります。この手続きは「借地非訟」と呼ばれます。東京地方裁判所の案内では、増改築の許可や借地条件の変更などが並んでいます。申し立ては、弁護士の先生の領域です。

3. トラブル3 期間が終わるので出て行ってと言われた

借地の期間が終わるとき、地主から明け渡しを求められることがあります。建物があれば、借りている側は更新を求められます(借地借家法5条)。地主が断るには「正当の事由」が要ります(同法6条)。双方が土地を必要とする事情や、これまでの経過などで判断されます。立ち退き料の申し出も、判断の材料の1つです。

地主の側で貸している土地を相続した場合は、底地を相続したらが参考になります。

古い契約には注意が要ります。借地借家法ができる前の契約は、更新について前の法律の扱いが続きます(附則6条)。契約書の日付を確かめてください。

4. トラブル4 兄弟で借地権を共有している

借地権を兄弟で相続すると、借地権も建物も共有になります。地代を誰が払うか、決めておかないと滞りがちです。売るときは全員の同意が要り、地主の承諾も要ります(民法612条)。地主が承諾しないときは、裁判所に許可を求められます(借地借家法19条)。1人が使い続けるなら、遺産分割で1人にまとめる方法があります。くわしくは「代償分割とは|家を1人が引き継ぎ、ほかの相続人にお金を払う方法」をご覧ください。

よくあるご質問

更新料は必ず払うものですか。

更新料は法律で決まったお金ではありません。契約書の取り決めや、これまでのやり取りで扱いが変わります。契約書を確かめ、迷うときは弁護士の先生に相談してください。

地主が代わりました。何か手続きは要りますか。

建物が登記されていれば、新しい地主にも借地権を主張できます。これは借地借家法10条の決まりです。建物の名義が亡くなった親のままなら、早めに相続登記をしてください。登記は司法書士の先生の領域です。

地主から買い取りたいと言われました。

売る・売らないは自由に決められます。値段は、借地権の評価や地域の取引の例を材料に話し合います。不動産会社の査定も参考になります(「三鷹市の不動産査定」)。

出典:e-Gov法令検索 借地借家法(第5条・第6条・第10条・第11条・第17条・附則第6条)/e-Gov法令検索 民法(第494条 供託、第612条 賃借権の譲渡)/東京地方裁判所「借地非訟事件について」

借地の決まりは、契約の時期や中身で扱いが変わります。この記事は2026年11月時点の法律と裁判所の案内をもとにしています。実際の契約書の内容を確かめてください。

具体的な地主との交渉や裁判所への申し立ては、弁護士の先生にご確認ください。

相続の手続き全体のご相談は、まとめる相続でも受け付けています。

その他のテーマは不動産コラムにまとめています。

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