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親が住んでいたマンションに、管理費や修繕積立金の滞納があった。管理組合から請求の手紙が届き、相続放棄を考える方もいます。このページでは、放棄したとき・相続したときに滞納分がどうなるかを説明します。
このページのポイント
- 相続放棄は、相続を知った時から3か月以内に家庭裁判所へ申し立てます。
- 放棄すると、滞納分を含め、親の借金を払う立場から外れます。
- 相続した場合、滞納分は引き継ぎ、売るときにも精算が必要です。
1. 管理費の滞納は「親の借金」の一つ
管理費や修繕積立金の滞納は、親が管理組合に負っていた借金です。相続をすると、家と一緒に、この借金も引き継ぎます。相続人が何人かいるときは、法律で決まった取り分に応じて引き継ぐのが原則です。
滞納がない場合も含め、相続したら管理組合に届け出ることや毎月かかる費用は、マンションを相続したらで説明しています。
もう一つ、マンションならではの決まりがあります。区分所有法(マンションの法律)第8条です。滞納分は、部屋を買った人にも請求できると決まっています。そのため、滞納を残したまま売るのは難しいです。売るときは、代金の中から精算するのが一般的です。
2. 相続放棄をするとどうなるか

相続放棄をすると、初めから相続人でなかったことになります(民法第939条)。滞納分を払う立場からも外れます。ただし、預金など、ほかの財産も受け取れなくなります。
放棄の決まりは、次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 期限 | 相続を知った時から3か月以内(民法第915条) |
| 出すところ | 亡くなった人の最後の住所地の家庭裁判所 |
| 費用 | 収入印紙800円(1人あたり)と連絡用の切手 |
| 期限を延ばす | 調べても決められないときは、延長の申し立てができる |
気をつけたい点が2つあります。1つは、放棄の前に部屋を売るなどすると、相続したとみなされることです。これは民法第921条の決まりです。もう1つは、放棄しても、住んでいた人などには守る責任が残ることです。これは民法第940条の決まりです。くわしくは「相続放棄をすると土地はどうなるか|管理の義務が残る場合」をご覧ください。
3. 全員が放棄したら、マンションはどうなるか
自分が放棄すると、次の順位の人が相続人になります。子が全員放棄すると、亡くなった人の親(親がいなければ祖父母)に移ります(民法第889条)。親や祖父母がいなければ、亡くなった人の兄弟姉妹です。放棄するときは、次の順位の人にも知らせておくと親切です。
全員が放棄すると、部屋を引き継ぐ人がいなくなります。このとき、管理組合などが家庭裁判所に「相続財産清算人」を頼むことがあります。清算人は、部屋を売って、滞納分などを払う役の人です。申し立てた人に、費用(予納金)を求められることもあります。
4. 放棄の前に確かめたいこと
放棄するかどうかは、部屋の値段と滞納の額を比べて決めます。都心に近いマンションなら、滞納分を払っても手元にお金が残ることがあります。次の3つを、管理会社と不動産会社で確かめてください。
相続して持ち続けるなら、売るか貸すかの考え方は親のマンションを相続したら売るか貸すかが参考になります。
- 滞納の合計額(管理費・修繕積立金・遅れた分の上乗せ)
- 住宅ローンが残っていないか
- 今売ったらいくらになるか(査定)
査定の受け方は「三鷹市の不動産査定」をご覧ください。放棄するかどうかの判断は、弁護士・司法書士の先生の領域です。
よくあるご質問
管理組合に「払います」と言ってしまいました。もう放棄できませんか。
言っただけで放棄できなくなるかは、状況によります。滞納分を親の預金から払うと、相続したとみなされるおそれがあります。支払う前に、弁護士・司法書士の先生に相談してください。
放棄の期限の3か月に、間に合いそうにありません。
家庭裁判所に、期限を延ばす申し立てができます。期限が過ぎる前に申し立てる必要があります。
滞納が多いマンションでも売れますか。
売れることはあります。代金から滞納分を精算して、買い主に引き継がない形にします。滞納額が値段を上回る場合は、放棄も含めて考えます。
一部の財産の範囲でだけ払う方法はありますか。
「限定承認」という方法があります(民法第922条)。相続人が何人かいるときは、全員でしか選べません(民法第923条)。手続きは複雑なので、弁護士・司法書士の先生にご相談ください。
出典:民法(e-Gov法令検索)第889条・第915条・第921条・第922条・第923条・第939条・第940条/建物の区分所有等に関する法律(e-Gov法令検索)第7条・第8条/裁判所「相続の放棄の申述」/裁判所「相続財産清算人の選任」
法律や裁判所の手続きは、変わることがあります。この記事は2026年11月時点の法律と裁判所の案内によります。
具体的な相続放棄の判断は、弁護士の先生にご確認ください。
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