
売買契約を結ぶと、ひと安心します。でも、引き渡しまでにやることはまだ残っています。期間は、契約から1〜2か月ほどが一般的です。この記事では、その間に売主がやることを順番にまとめました。
このページのポイント
- 契約後の仕事は「引っ越し」「書類と鍵」「お金の精算」の3つです。
- 買主のローンが通らないと契約が白紙になることがあるので、特約の期限と解除の方法を確認します。
- 固定資産税は、契約で決めた方法で、日割りで買主と精算するのが一般的です。
このページの内容
1. 契約後のやること一覧

まず全体を見ておきます。時期の順に並べました。
| 契約直後 | ローン特約の期限を確認。引っ越しの手配を始める |
|---|---|
| 契約〜3週間後 | 買主のローン承認の連絡を待つ |
| 引き渡し1か月以上前 | 自分のローンの完済手続きを銀行に連絡(期限は銀行ごとに確認)。不用品の処分 |
| 引き渡し1週間前 | 引っ越し。電気・ガス・水道の停止を連絡 |
| 引き渡し前日まで | 家の中を空にする。鍵と書類をそろえる |
| 引き渡し当日 | 残代金の受け取り、精算、鍵と書類の引き継ぎ |
自分のローンが残っている場合の段取りと、当日の流れはローンが残っている家を売るコラムをご覧ください。
2. ローン特約 ― 買主のローンが通らなかったとき
多くの売買契約には「ローン特約」という決まりが入っています。買主のローンが通らなかったとき、買主は契約をやめられるのが一般的です。その場合、受け取った手付金は買主に返します。買主を守るための仕組みです。
売主にとって大事なのは「期限」です。契約書に「ローン特約の期限」が書かれています。契約から1か月前後が多いです。期限までに、どんな方法で解除を伝えるかも契約書で決まっています。
期限と解除の方法は、契約書の文言で確かめてください。この日までは、契約が白紙になる可能性が残ります。期限の日付を確認し、次の家の契約を急ぎすぎないことです。
なお、手付金で契約をやめる仕組みもあります。くわしくは手付金のコラムをご覧ください。
契約書の「手付解除の期限」もあわせて確認します。
3. 引っ越しと荷物 ― 家の中を空にする
引き渡しのときは、家の中を空にして渡すのが原則です。家具、家電、カーテン、物置の中身まで、すべて運び出します。エアコンや照明を残すかどうかは、契約時の「設備表」で決めます。決めたとおりに残す、または外します。
不用品の処分は、思った以上に時間がかかります。自治体の粗大ごみは、回収まで数週間待つことがあります。契約直後から動き始めてください。
ごみが残っていると、買主から処分費用を求められることがあります。
電気・ガス・水道は、引き渡し日に合わせて止めます。停止日は「引き渡し日」か「その翌日」にします。早すぎると、引き渡し当日の確認で水が出ません。
4. 鍵と書類の引き継ぎ
引き渡し当日に、買主へ渡す物をそろえます。忘れやすいので、前日までに一か所にまとめておきます。
鍵
玄関の鍵は、スペアキーも含めてすべて渡します。門扉、物置、郵便受けなど、家にある鍵をすべて集めます。本数を数えて、引き渡しのときに記録します。
書類
家を建てたときの書類、設備の説明書などを買主に渡します。一覧と、無いときの対処は売るときに必要な書類のコラムをご覧ください。
登記識別情報(昔の権利証)
これは買主には渡しません。登記を申請する司法書士の先生に渡します。見当たらないときは、早めに不動産会社に伝えてください。代わりの手続きはありますが、日数と費用がかかります。
設備の使い方やごみの出し方のメモも、あると買主に喜ばれます。
5. 固定資産税などの日割り精算
固定資産税と都市計画税は、1月1日の持ち主に1年分がかかります。都市計画税は、固定資産税と一緒に来る税金です。法律でそう決まっています(地方税法 第343条・第359条・第702条の6)。
年の途中で売っても、納税通知は売主に届きます。市役所は、日割りで分けてはくれません。
そこで、売主と買主の取り決めで日割りの精算をします。精算をしても、税金を納める義務は売主に残ります。引き渡し日の前日までを売主、当日からを買主の負担とすることが多いです。
買主の負担分を、引き渡し当日に残代金と一緒に受け取ります。
計算の起点は契約書で決めます。東京周辺では1月1日を起点にすることが多いです。たとえば、年税額が12万円で、引き渡しが7月1日なら。
7月1日〜12月31日の184日分が買主の負担です。12万円 × 184日 ÷ 365日 = 約6万円です。計算は不動産会社が行い、精算書にまとめます。
マンションの場合は、管理費と修繕積立金も同じように日割りで精算します。くわしくはマンション売却の流れのコラムをご覧ください。
出典:民法 第557条(手付)(e-Gov法令検索)/地方税法 第343条・第359条・第702条の6(固定資産税・都市計画税の納税義務者と賦課期日)(e-Gov法令検索)/国税庁 質疑応答事例 未経過固定資産税等に相当する額の支払を受けた場合
よくあるご質問
引き渡し当日は何を持って行きますか。
実印、印鑑証明書、本人確認書類、登記識別情報、鍵、振込先のメモです。登記識別情報は司法書士の先生に渡します。不動産会社と司法書士の先生から事前に一覧が届きます。その一覧に従ってください。
引き渡しの前に買主が家を見に来ますか。
来ることが多いです。契約時の状態と変わっていないかを確認します。引っ越しのあと、引き渡しの数日前に行うのが一般的です。
固定資産税の精算金には税金がかかりますか。
精算金は、売買代金の一部として扱われます。売却の税金を計算するときに、売値に含めます。くわしくは税理士の先生に確認してください。
引き渡しの条件は、契約書の内容で決まります。この記事は一般的な流れです。実際は、ご自身の契約書を優先してください。
精算金を含めた具体的な売却の税金は、税理士の先生にご確認ください。
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