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ローンが残っている家を売る手順|抵当権を外す段取り

ローン返済中の家を売る相談をする夫婦のイラスト

「ローンが残っているけれど、家を売れるのだろうか」よくある質問です。答えは「売れます」。ただし、売却代金でローンを返し、銀行の担保を外す段取りが要ります。この記事では、その手順を最初から順に説明します。

このページのポイント

  • ローンが残っていても売れ、売却代金で完済して引き渡しと同じ日に抵当権を外します。
  • 最初にやることは、ローンの残高を正確に確認することです。
  • 銀行によっては1か月以上前の連絡を求めるので、契約前から手続きを確かめます。

1. まず知っておきたい「抵当権」のこと

住宅ローンを借りると、銀行は家と土地に「抵当権」をつけます。抵当権とは、返せなくなったときに銀行が家を売ってお金を回収できる権利です。

登記簿(不動産の公式な記録)に記載されています。

抵当権がついたままの家は、ふつうは買ってもらえません。そのため、売るときには必ず抵当権を外します。これを「抵当権抹消」といいます。

外すには、ローンを全額返す必要があります。手元の貯金で返せる人は少ないです。だから、売却代金で返す段取りを組みます。

2. 手順1:ローンの残高を確認し、売り出す

最初にやることは、残高の確認です。毎年秋ごろに「残高証明書」が届く銀行が多いです。届かなければ、銀行の窓口やネットで確認できます。

確認するのは次の3つです。

  • 今の残高
  • 繰上返済(まとめて返すこと)の手数料
  • 返す予定の日までに増える利息

次に、売るための費用を足し合わせます。仲介手数料、抵当権を外す登記の費用、印紙代などです。仲介手数料の目安は仲介手数料のコラムをご覧ください。

売値 − ローン残高 − 売るための費用 = 手元に残るお金

この式がプラスなら、売却代金で完済できる見込みです。マイナスなら、下の「残高が売値を上回るとき」へ進んでください。

残高を確認したら、査定を受けて売り出します。ここからの流れは、ローンのない家と同じです。査定の受け方は不動産査定のご案内に書いています。買主が決まったら、売買契約を結びます。

契約書には「引き渡しまでに抵当権を外す」旨が書かれます。売主の義務です。引き渡し日は、契約から1〜2か月後が多いです。

3. 手順2:銀行に連絡する

引き渡し日が決まったら、銀行に「全額返済したい」と連絡します。銀行では「全額繰上返済」の手続きになります。申し出の期限は銀行によって違います。

1か月以上前の申し出を求める銀行もあります。売買契約の前に、期限を確かめておきましょう。

銀行に伝えることは次のとおりです。

  • 家を売るので、売却代金で全額返したい
  • 返す日(引き渡し日)
  • 抵当権を外す書類を、その日に用意してほしい

銀行は、返済日に合わせて書類を準備してくれます。解除証書(抵当権の消滅を証明する書類)、委任状などです。

4. 手順3:引き渡し当日 ― 完済と抵当権抹消を同時に

手順3:引き渡し当日―完済と抵当権抹消を同時にを表した図

引き渡しの日は、次のことを同じ日に行います。多くは銀行の一室で、1〜2時間ほどで終わります。

  1. 買主から残りの代金を受け取る
  2. その中からローンの残高を銀行に返す
  3. 銀行から、抵当権を外す書類を受け取る
  4. 司法書士の先生が、抵当権の抹消と名義変更を法務局に申請する
  5. 買主に鍵を渡す

抵当権を外す登記には、登録免許税(登記の税金)がかかります。土地・建物1つにつき1,000円です。これに司法書士の先生への報酬が加わります。

抹消と名義変更を同じ日に申請するのは、買主を守るためです。買主は「抵当権のない家」を買うお金を払います。だから、代金の受け渡しと登記はセットで行います。

段取りは司法書士の先生と不動産会社が組みます。売主は、必要な書類と印鑑を持って行けば大丈夫です。契約から引き渡しまでの準備全体は、引き渡しまでの準備のコラムをご覧ください。

5. 残高が売値を上回るとき

ローンの残高が売値より多い場合もあります。この場合、売却代金だけでは完済できません。足りない分を貯金などで用意できれば、通常の売却ができます。

用意できないときは、別の方法を考えます。銀行の同意を得て売る「任意売却」という方法があります。くわしくはローン残高と売却価格のコラムをご覧ください。

任意売却は任意売却のコラムをご覧ください。

出典:法務局 住宅ローン等を完済した方へ(抵当権の登記の抹消手続のご案内)/法務省民事局 抵当権抹消登記の申請手続について(一戸建て編・令和6年4月版)

よくあるご質問

住み替えで、次の家のローンも組みたいです。

今の家を売って完済してから、次のローンを組むのが基本です。売る前に買う場合は、一時的に2本のローンを持ちます。「買い替えローン」などの仕組みがあり、銀行に相談が必要です。

ローンを完済したら、抵当権は自動で消えますか。

消えません。抹消の登記をしないと、登記簿に残ったままです。売るときは、司法書士の先生が引き渡しと同時に申請します。

銀行に連絡するのが遅れたらどうなりますか。

引き渡し日までに書類が間に合わない恐れがあります。その場合、引き渡し日を延ばすことになります。契約違反になる可能性もあるので、早めに連絡してください。

銀行ごとに、完済の手続きや手数料は違います。この記事は一般的な流れです。実際は、借りている銀行の案内に従ってください。

具体的な抵当権の抹消や名義変更の登記は、司法書士の先生にご確認ください。

その他のテーマは不動産コラムにまとめています。

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